ヨーロッパは世界的なスマートフォン市場の停滞に打ち勝ち、前年同期比8%の出荷台数増加を記録した。Canalysが集計したこの数字は、アジア太平洋地域の6%を上回り、地域別でのスマートフォン市場の成長率のトップに位置する。
そしてここでも、Samsung(サムスン)が最大の勝者であり、前年同期比で26%増と好調だった。第2四半期のデータも示唆していたように、同社はさまざまなデバイスで市場を席巻している。サムスンのミッドレンジ向けスマートフォンのAシリーズは、同時期のランキングで上位4社を独占した。
Huawei(ファーウェイ)は米国と中国の貿易摩擦の中でヨーロッパに再び注力していたため、2位を維持した。出荷台数に占めるHuawei(ファーウェイ)のシェアは22.2%で、一方サムスンのシェアは35.7%だった。同じく中国メーカーのXiaomi(シャオミ)は同四半期に非常に好調な伸びを示し、前年同期比73%増となり、Apple(アップル)に次ぐ第4位となった。
ネガティブなトレンドの中で数字は伸びを示しているが、政治の影響は依然として大きい。「ネガティブな要素としては、Brexitはすでに影響力を示している」と、アナリストのBen Stanton(ベン・スタントン)氏はリリースにて述べている。「英国ではサムスンとアップルのプレミアム市場向け端末の出荷が、今年3月と10月のBrexitの期限前に増加したが、その後に流通業者が在庫を用意し、関税リスクの回避を強いられたため、大幅に落ち込んだ。この短期的かつ人為的なブーストは市場を非健全なものとし、それに伴うリスク、コスト、不確実性が業界にとって大きな損失となった」。なお、世界の他の多くの地域と同様に、欧州市場も5Gの展開による出荷台数の増加を期待している。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)