民間チームによる月着陸一番乗りを競うGoogleのLunar XPrizeは今年いよいよ山場を迎える。2017年末までに民間企業として初の月面着陸を果たすという競走に参加する5組のファイナリストが決定した。ファイナリストの5チームは、SpaceIL、Moon Express、Synergy Moon、Team Indus、Hakutoだ。勝利を得るためには単に月面に着陸するだけでなく、月面で最低500メートル移動し、月面から写真とビデオをライブで送信するなどの条件を満たす必要がある。
各チームはそれぞれ異なる月面到達の方法を採用している。XPrize受賞のためには2017年12月31日までにロケットを打ち上げ(着陸は後でよい)ることが求められている。月着陸その他の条件を満たした最初の参加チームには2000万ドルの大賞が贈られる。2位には500万ドルだ。また人類が初めて地球以外の天体に足を踏み入れた記念すべき場所、つまりアポロの最初の着陸地点に到達したチームにはボーナス賞が用意されている。
今回のファイナリストに選ばれなかった11チームもそれぞれ若干の賞を得る。Googleは総額100万ドルの賞金を用意し、宇宙航空と教育の進歩に貢献したという理由で参加した全16チームに分配する。
全チームのうち、月着陸機の打ち上げ契約が確認された5チームがファイナリストとして認められた。SpaceILが一番乗りで、SpaceXと2017年後半に月への打ち上げを行うという契約を結んだ。NASAと提携するアメリカのスタートアップ、Moon Expressの打ち上げを行うのはRocket Labという宇宙開発企業で、Electronロケットはまだ実際に飛行したことがない。Moon Expressは政府からミッションの許可を得た。Synergy MoonはInterorbital社のNeptune 8を利用する。こちらもまだ実際に宇宙への飛行を行ったことがない。インドのIndusと日本のHakutoはインド政府の宇宙開発機構の実績あるロケットを共同利用する予定。
このプロジェクトでは打ち上げロケットが重要な要素になるものとみられる。5チームのうち宇宙に到達した実績がある打ち上げロケットの利用を契約しているのは3チームだけだ。SpaceXも昨年の打ち上げ途中の爆発事故などの影響で計画に遅れが出ている。ではあるが、ここまでプロジェクトを進めてくることができたチームが5組もあったというのは素晴らしい。
〔日本版〕HAKUTOチームの公式ページ。Wikipediaにも解説がある。WikipediaによればMoon Expressは月で鉱物資源を開発することを目的としている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)