2009年に初めて使って以来、ぼくはAirbnbが大好きで仕事の出張ですらAirbnbを使うようにしている。最大の理由は地元の人たちと話すのが楽しいし、お出かけ情報についてもガイドブックなんかよりも圧倒的に良いからだ。
ただ、Airbnbは多くの場合英語が共通言語となるので、ちょっとハードルが高く感じる人がいるかもしれない。2015年1月に創業したスタートアップ企業のカラフルシーが昨日ローンチしたばかりの「TABITICKET」なら日本語でオッケーだ。TABITICKETは日本人旅行者(ゲスト)と旅先を案内してくれる現地在住の日本人(ホスト)をつなぐ旅行体験のマッチングサービスだ。
サイト上には世界各国に住むホストが、グルメ、スポーツ、音楽など、その人ならではの職業や趣味を活かしたオリジナルツアーをチケットとして販売している。ツアーを提供するのは、日本人の現地移住者、ワーキングホリデーや留学で海外に住んでいる人、駐在員の奥さん(あるいはダンナ)など、現地の情報をよく知る一般人となる。
サイトを見てみると、シェフやサーファー、カメラマンなど、海外で人生を謳歌していそうなプロフェッショナルも目につく。リストされているツアーは以下の様な感じ:
・現役ランナーがホノルルマラソンの攻略法伝授♪下見をしながら一緒に走ろう!(ホノルル/8000 円)
・パリの料理研究家とマルシェで買物&フランス家庭料理レッスン♪(パリ/1万4000円)
・旅と自然を愛する元CAと香港でハイキング(香港/3000円)
・プロカメランがハワイを最高に綺麗に撮る秘伝のコツ伝授!(ホノルル/1万8750円)
・現地に嫁いだ日本人妻とカジャンで庶民の暮らし体験(カジャン/4250円)
・ニューヨーカーが行くオシャレなレストラン・カフェ巡り(ニューヨーク/5000円)
・公認ガイドが案内する北欧建築デザイン視察ツアー(コペンハーゲン/5万5000円)
・観光だけじゃもったいない!9日間のオリジナルホームステイ(サンディエゴ/21万5000円)
・イスタンブールでアパート滞在^アジアサイドでディナー(イスタンブール/1万6000円)
・レトロ着物と古民家の女子旅 ◆旬の鰹料理◆(千葉勝浦/1万円)
現在はハワイやオーストラリア、フランスなど世界17都市、77ツアー(体験)が登録されていて、今後1年間で50都市、777ツアーまでの拡大を目指すそう。
旅行関連スタートアップとしては、類似のサービスを提供する「Meetrip」があったが2013年に売却済み。サービスはスケールしなかったと聞いている。観光庁のデータによれば日本人海外旅行者数は過去20年ほど横ばい。オリンピックへ向けたインバウンド観光客の増加が予想されているのに比べて、アウトバウンドは分が悪い。少子化や円安も向かい風だ。実は以前TechCrunch Japanで開催したシェアリングエコノミー関連のイベントに来場してくれたこともあるカラフルシーの坂巻渚CEOは、TechCrunch Japanに対して以下のようにメールで回答してくれた。
「数ある類似スタートアップや大手との差別化を考えた上でも、私たちは特に、プロフェッショナルな職業や熱い思いを持った、特別感のあるホスト(体験)を積極的に集めることと、日本人にとって使いやすい(日本人に特化した)シェアリングサービスにしていくことを軸すると決めました。また今後、日本国内の体験も揃えていくことで、世界情勢にも影響を受けやすいアウトバウンド事業のリスクを緩和したいと考えています」
「今後、魅力的なホストを集めるためにも、実際に私たちが現地に足を運べたらと思っています。今回のオープンに際しても先月ハワイに行き、写真家やヨガインストラクター、人気ブロガーの方など魅力的な日本人の方々にお会いし、体験を提供してもらっています」