誰もが、閉館後の美術館を一人っきりでぶらぶらしたいと思ってる。ロンドンのTate Britainは、HogarthやGainsboroughやWhistlerらの名作だけでなく、BaconやFreudの作品まである有名な画廊だ。
ここのでっかいホールを通っていく訪問者は年間100万人を超える。もちろんそれは開館時間のことだが、閉館後の通路は静まり返り、名作の前に人の目はない。
しかしこの画廊は最近、所蔵品へのアクセスを拡大するためのデジタルな方法を賞金つきで公募し、この夏からその優勝作品の実用化を開始する。
訪問者はTateのWebサイトを訪れて、閉館後に画廊を歩き回るロボットをリモートでコントロールする。ロボットは松明(たいまつ)を掲げ、カメラを内蔵しているので、作品をリモートで鑑賞できる。しかも、これまでとは違う光の下で。
Tateのこの賞はiK Prizeと呼ばれていて、2014年に優勝したのはデザインスタジオThe Workers、作品名はずばりAfter Darkだ。賞金1万ポンドのほかに、この夏からの実用化のための制作費/工事費6万ドルをもらう。
“アートを完全に正確に見せたいとは思わなかった”、三人目のThe Worker、Tommaso Lanzaが下の紹介ビデオでそう言っている。“むしろ、アートを、昼間の開館時とは違う角度、違う光で見てもらいたい。この‘角度’と‘光’には、物理的な意味と比喩的な意味の両方があるけどね”。
賞の審査員の一人だったWikipediaのJimmy Walesが、昨日(米国時間2/6)、優勝作品を発表した。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))