溢れる企業のデータを整理整頓しすぐ有効に使えるようにする、ノーコードのデータパイプライン「Hevo」が約34.2億円調達

企業が日々生成する大量のデータを整理整頓して有効利用に備えるSaaSを提供しているHevoが、その好調な1年の締めくくりとして3000万ドル(約34億2000万円)の資金を調達した。

サンフランシスコとベンガルールに本社を置く同社の3000万ドルのシリーズBは、Sequoia Capital IndiaがリードしQualgroやLachy Groom、Chiratae Venturesなど多くの投資家が参加した。これで、創業5年の同社の総調達額は4300万ドル(約49億1000万円)になった。

企業には、マーケティングやエンジニアリング、デザインなど多くの部門があり、それぞれが自分の業務のためにさまざまなサービスやプラットフォームを利用している。しかしそれらが日々生成するデータは、各部門のサイロに収容されているので、全体としてのリアルタイムの可視性を欠き、次の行動や意思決定の助けにならない。

Hevo Dataが作ったデータパイプラインは、さまざまなソースからのデータの統合と取り込みをとても簡単なものにし、それらを1つのダッシュボード上に可視化する。また、さらにそれらのデータをSnowflakeやGoogle BigQuery、Amazon Redshiftなどのクラウドデータウェアハウスに入れる。同社のCEOで共同創業者のManish Jethani(マニッシュ・ジェタニ)氏が、インタビューでこう説明してくれた。

「企業は社内のいろいろなところで、いろいろなタイプのソフトウェアを使っていますが、そのデータに他の部門からもアクセスできなければ、自分のところのデータの本当の意味すら理解できません」。それは、人体における血液の流れと一緒だと彼はいう。

「たとえばマーケティングに何千ドルも投資したら、実際に買った人と買わなかった人の数や購入の頻度を知る必要があります。購入単価も知りたい。これらのデータから、今後の適正なマーケティング予算がわかってくる。そしてこれだけの知見のために、マーケティングと受注のデータ、財務データ、それに顧客サポートのデータも必要になります」。

ジェタニ氏は、彼の以前のスタートアップGrofersに売ったSpoonJoyで、このような問題に苦戦していた。Grofersというやや大きなスタートアップで知ったのは、大きな企業でもデータの問題に悩んでいるということだ。ジェタニ氏によると、AmazonやFlipkartぐらい大きくなれば、独自のワークフローと大きなデータ専門部署を作って対応しているだろうという。

同社が提供するサービスは販売CRM、広告チャネル、マーケティング技術、財務システムソフトウェア、顧客サポート製品など、複数の異種ソースやアプリケーションからのデータを組み合わせて、ビジネスと顧客に関する360度のビューを構築すると、ジェタニ氏はいう。

Hevoが提供する人気のインテグレーション例。

Hevoの付加価値の1つは、ノーコードプラットフォームであることだ。データを中央のハブに流すための統合を確立するのに、個人はそれほど時間をかけず、また技術的な理解も必要ないという(例えば、IFTTTでアクションを設定するのと同じくらい簡単にアクセスできる)。Hevoはデータベース、SaaSアプリケーション、クラウドストレージ、SDK、ストリーミングサービスなど、100以上の統合機能をあらかじめ備えている。

同社は、40カ国以上の複数のカテゴリーで1000社以上の顧客を獲得しており、今後、より大きな市場を開拓するために、新たな資金を新製品開発に投じる予定だ。Hevoは、この1年間に500%という驚異的な成長を遂げたという。同社が取り組んでいる新商品の1つに、ユーザーが収集したデータを分析できるようにするインサイトプラットフォームがある。

また「Reverse ETL」と呼ばれるプロダクトも開発中で、これは分析以外の用途でも顧客のデータ活用を支援することを目的としているという。

「データは、この10年間で最も重要なビジネスインプットの1つになっています。Hevo Dataは、データの双方向モビリティを実現するための基盤インフラを構築しています」と、Sequoia IndiaのMDであるTejeshwi Sharma(テジェシュウィ・シャルマ)は声明で述べている。

「組織内でモバイルデータが増えれば増えるほど、その有用性は高まります。私たちは、同社の製品DNAに感銘を受けました。広く愛されている製品の秘密は、洗練された技術と消費者レベルの体験という二面性を兼ね備えていることなのです。Sequoia Capital Indiaは、Hevoとのパートナーシップをさらに強化し、シリーズBラウンドをリードできることをうれしく思っています」。

画像クレジット:Hevo

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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