片想いでも傷つかない、FacebookがデートアプリにSecret Crushを追加

米国時間4月30日から米国サンノゼでスタートしたF8デベロッパー・カンファレンスで、Facebookはデートアプリの新しい機能を発表した。昨年のF8で発表されたFacebook Datingは、普通の友だちや家族にデート用プロフィールを見られてしまうという気まずさを避けるようプライバシーに最大限配慮している。

今年のF8でFacebookはデートの希望を相手に伝える方法に非常に巧妙な仕組みを用意した。 好意を送信しても「片想い」状態の場合は相手に表示されない。相手も自分に好意を持っていて好意を送信し返してきたときに始めて双方に通知され、メッセージ交換が可能になる。また現在は、南米や東南アジアの5カ国で実験的運用が行われているが、新たに14カ国が追加され19カ国でFacebook Datingがスタートすることも発表された。米国も今年中にカバーされるという。

Facebook Datingでは最大限9人の友だちにCrushという「いいね!」式のリアクションを送れる。相手もFacebook Datingにオプトインしている場合、「友だちからCrushが来ている」と通知される。今回の新しい仕組みはSecret Crush と呼ばれ、Secret Crushを送った場合、互いにCrushし合っている場合のみ双方に表示され、Messengerでチャットが可能となる。

Facebook Datingのプロダクト・マネージャーであるCharmaine Hung氏は私の取材に答えて、こう説明した。

例えば、私自身はFacebookに2000人の友だちがいますが、全員が親友というわけではありません。しかしこの2000人の中にベストマッチの相手がいる可能性は高いです。Facebookの友だちなら信用できる人々ですし、性格や趣味もわかっています。わからないのはお互いに好意を抱いているかどうかです。友だち以上の関係に進みたいと思っても対面で告白した場合、断られたときに傷ついてしまいます。Secret Crushはこの点に配慮した仕組みです。

Facebookは昨年のF8でDatingを発表した後、昨年9月にコロンビアでサービスをスタートさせた。利用できるのはFaceookのメンバーに限られる。アプリにオプトインするとグループやイベントをチェックすることができる。送信できるのはテキストと絵文字のみで、メッセージはDating専用のインボックスで受信されるという仕組みだ。今回のアップグレードで新たに、フィリピン、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ラオス、ブラジル、ペルー、チリ、ボリビア、エクアドル、パラグアイ、ウルグアイ、ガイアナ、スリナムが追加された。

Secret Crushのような仕組みで懸念されるのは、マッチを成立させようと友だちを大量に追加、即削除してスパム状態が作られてしまうことだ。これを防ぐためにFacebookでは9人という上限に達した後は1日に1人しか入れ替えができないようにしている。

今のところDating利用は無料だが、プロジェクトのポイントはマネタイズではない。多数のスキャンダルに見舞われてきたFacebookは信頼できるソーシャルネットワークだという評判を取り戻す必要がある。ニュースフィードをスクロールし続けるのは時間の無駄だし、場合よっては有害だ。しかしFacebookt Datingが未来の恋人、伴侶を探してくれる可能性があるならユーザーにとってFacebookは大きな意味を持つことになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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