動物の遺伝学的に本物と同一の器官を作るPembientは、本誌が取り上げて以降、人気と話題が爆発した。ファウンダのところには次々とリクエストやツイートが殺到し、先月のローンチ以降しばらくは、Redditのいくつかのスレッドでトップの話題だった。
人気の源泉は、野生動物の不法交易をやめさせようとする同社の高邁な目標にあった。数種類の犀が絶滅の危機に瀕しているが、それは角(つの)に治療効果があると信ずる人たちからのお金儲けをねらった密猟に原因がある。密猟された犀は、角だけを取られて、死体は放置される。
Pembientは3Dプリントと遺伝子配列技術を利用して、犀角や象牙など、絶滅危惧動物の器官を短時間で合成し、一般市場で安く売ろうとしている
同社は動物の器官を人工合成するだけでなく、最近では非営利団体New Harvestと、ワシントン大学のInstitute for Stem Cell and Regenerative Medicine(ISCRM)とパートナーして、Experiment.comで黒犀の全遺伝子配列を求めるための、クラウドファンディングキャンペーンを開始した。
西部黒犀は今では公式に絶滅しており、世界に残る黒犀の個体数はわずかに5000頭あまり、と言われている。遺伝子配列事業によって、将来、種が復活するかもしれない。
キャンペーンは締め切りが迫っているが、まだ目標額までは5000ドルあまり足りない。志(こころざし)のある方は、ぜひこちらで寄付を。
Pembientは全体として本当にクリエイティブな仕事を成し遂げ、バイオテクの分野と、それを超えた世界に、強い感銘を与えた。協同ファウンダGeorge BonaciのラボはSOS Venturesの次世代バイオテクアクセラレータIndieBioの中にあり、私は最近そこで彼にも会うことができた。