獣医とその顧客向けアプリDigitailがbyFounders率いるシードラウンドで約2.7億円調達

獣医の手術とその顧客のためのクラウドサービスであるDigitailは、byFoundersとGradient Ventures(GoogleのAIファンド)が主導し、PartechとDr. Ivan Zakharenkov(Smartflow)などの一連のエンジェルが参加したシードラウンドで250万ドル(約2億7000万円)を調達した。このスタートアップは、すでにFast Track Malmoから(2019年のプレシードラウンドにて)支援を受けている。Digitailは現在2000人の獣医によって16カ国で使用されている。

Digitailは自社の動物病院や動物病院向けの「オールインワン」診療管理システムについて「獣医がワークフローを簡素化し、自動化を推進し、診療所にいなくても飼い主がペットと関わることができる」と述べている。

ペットの飼い主のためにDigitalは、PIMSに直接接続され、ペットのデジタルIDとして機能する顧客アプリ「Health Card for pets」を提供する。これにはペットの病歴が記録されており、飼い主はアプリ内のチャットで獣医とコミュニケーションをとったり、次回の予約をしたり、ペットに関するその他の重要な情報を保存できる。

創業者はCEOのSebastian Gabor(セバスチャン・ガボール)、CPOのRuxandra Pui(ルクサンドラ・プイ)らだ。彼らに加えて、社内の獣医師であるAlexandru Gheorghita(アレクサンドル・ゲオルギタ)も参加している。

ガボール氏は声明の中で「ペットケアは今でも90年代のように行われています。全体的なビジョンとアプローチが欠如しているため、データの統合や業界の主要プレイヤー間のコラボレーションが行われていません。その結果、獣医は時代遅れのツールに頼らなければならず、コラボレーションやイノベーションは停止しています」と述べた。

競合にはシリーズAで800万ドル(約8億7000万円)を調達したRhapsody.vetや、EzyvetHippo Managerなどがある。しかしDigitailによると、同社のオールインワン方式は他社よりも優れているという。

ある推計によると、米国のペット所有者の約39%がミレニアル世代だという。Digitailはアプリで獣医の予約や手配をしたい顧客を探している、新しい世代の獣医師に向けビジネスを展開している。医師の手術を目的としたアプリと同様、Digitailのプラットフォームは顧客データを処理し、手術を実行できる。ペットケア業界は2025年までに2000億ドル(約22兆円)規模に達すると予測されている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Digitail資金調達ペット

画像クレジット:Digitail

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(文:Mike Butcher、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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TechCrunch Japan

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