生徒たちが設計した3Dプリント「きのこ培養器」と「火星用ミニ農場」が、NASAの「スタートレックリプリケーター」コンテストの勝者に

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NASAは、子供たちがわれわれの未来だと信じている。そうでなければ、2050年の宇宙飛行士に食べさせる方法を彼らに聞くだろうか? 全米を対象にした“Star Trek Replicator”コンテストは2月に始まり、何百もの3Dプリントのアイデアが生まれた。そして勝者が発表された。放射線の好きなキノコの家と、火星開拓者のための小さな農園だ。

課題は「2050年に3Dプリントする、宇宙飛行士のための、非食用、食品関連器具を設計」することで、一辺15 cmの立方体に収まり、単一原料で、おかしなSF風なものを含まないこと。子供たちは、プリント時の微小重力による制約も考慮しなくてはならない ― NASAはここには関与しない。

30の州から405件の応募があり、NASA、Made in Space、および米国機械学会の審査員が評価した。

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アリゾナ州フェニックス、Desert Vista High SchoolのKyle Corretteが設計した、fungarium(うまい名前をつけたものだ)は、「メラニン化」された菌類(キノコ)を培養するもので、この菌類は、植物が太陽光を使うのと同じように、電離放射線(悪玉)を利用してエネルギーを得る。容器は菌類を保護し、水をやって3本の棒上で成長させながら、栄養豊富な宇宙線を浴びさせる。左側の3面構造は、取り外して成長エリアの上に被せることができる。

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Eagle Ridge Middle SchoolのSreyesh Solaは、火星で使う小型の “Astro mini farm”[ミニ農場]を作った。上部にプリントされたレンズが、火星表面を照らす微小な太陽光を集めて濃縮する。ポンプが大気圧を常に地球上の約1/10に保ち、植物の成長に最低限必要な空気を与える(圧力が高くなりすぎないようにバルブがついている)。プリントに必要なシリカ(二酸化ケイ素)さえ火星の土壌から採取できるかもしれない、とSolaは説明している。

他に6つのプロジェクトがファイナリストとなり、賢いマグ、小さなゼロG水耕装置、およびスピルリナ藻培養器2種等があった。ファイナリスト全員(勝者らを含む)が、Makerbot Replicator Miniを学校に、PancakeBotを個人に贈られた。そして、勝者の2名は、ニューヨークで、元宇宙飛行士のMike Massiminoと共にスペースシャトルエンタープライズ・ツアーに参加する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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