生鮮で苦戦しているAmazonが冷蔵不要・常温保存の食事の配達を研究中

‘MRE’という言葉が、軍隊やサバイバル技術に関する話のなかによく登場する。それは、“Meal, Ready-to-Eat”(すぐ食べられる食事)、すなわち携行食のことだ。Amazonは今、独自のMREを研究しているらしい。しかもそれは、前線の兵士やサバイバルごっこのハイカーたち用ではなく、一般消費者向けのおいしくて満足感のある食品としてだ。

Amazonは、軍用に開発された技術を利用して、冷蔵庫を要しない、常温保存のできる即席食を作ろうとしている。そもそもそれは、在庫管理やロジスティクスという面で売る側にメリットがある。倉庫も輸送も簡単だ。Reutersのその記事によると、生鮮に進出しようとするAmazonにとって最大の難関が商品の日持ちであり、しかもその対策は簡単ではない。

しかしこれはさらに、オンデマンドの食事配達(meal delivery)への進出に際しても、Amazonのアドバンテージになる。同社はすでに、専業のBlue Apronなどとどうやって競合するかを考えつつ、パイロット事業を動かしている。

その技術は‘microwave assisted thermal sterilization’(マイクロ波による過熱消毒, MATS)と呼ばれ、封をしたパッケージを高圧の水槽に入れてマイクロ波を照射すると、食品の風味と栄養を損なわないだけでなく、細菌を排除して最大1年の棚持ちを可能にする。この技術の商用化を今、915 Labsというスタートアップが探求している。

それはまだ、消費者への提供が確定したわけではなく、目下テスト中の生鮮と配食の分野における試行錯誤の一環にすぎない可能性もある。でもその分野で、日持ち棚持ちという大きな障害にぶつかったeコマースの巨人が考えた対策としては、なかなかおもしろい研究開発のテーマだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))