発言者ごとの文字起こし・議事録作成可能な「Sloos」がマイクロソフトの法人向けアプリストアで提供開始

発言者ごとの文字起こし・議事録作成が可能な「Sloos」がマイクロソフトの法人向けアプリストアで提供開始

QuantumCore(クアンタムコア)は8月14日、マイクロソフト運営の法人向けアプリストア「AppSource」において、発言者ごとの文字起こしが可能なサービス「Sloos」(スルース)の提供を開始したと発表した。AppSourceからSloos試用版の申し込みが行える。

Sloosは、汎用的なマイク1台で最大10名までの話者を識別し、発言内容をリアルタイムで文字起こし可能。すでに試用含む350社以上が利用しており、Microsoft Teams、Zoomなどのウェブ会議システムとの併用も行える。

発言者ごとの文字起こし・議事録作成が可能な「Sloos」がマイクロソフトの法人向けアプリストアで提供開始

またSloosは、開発者・システム管理者など向けマーケットプレイス「Azure Marketplace」ではすでに提供済みとなっている。数ヵ月以内に機能・デザインを全面的にリニューアルした正式版の提供も予定しており、さらなるサービス拡充やマイクロソフトとの連携を図るという。計画中のリニューアル版追加機能としては、以下が挙げられている。

  • Speech Serviceによる書き起こし精度向上
  • 話者の事後登録・リアルタイムテキスト編集
  • テキスト形式の文字起こし出力
  • 各種ブラウザ・スマートフォン対応
  • ルーム参加の承諾機能
  • Azure Active Directoryによるアカウント認証

なおQuantumCoreは2020年7月、マイクロソフトのスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups」で採択されており、以下を今後の取り組み企画例として挙げていた。

  • Azureの音声認識エンジンの活用
  • TeamsとのAPI連携によるリアルタイム話者認識
  • OneDriveやSharePointへ書き起こし結果の保存
  • Outlookの連絡先へ発言者毎に内容の記録やオリジナル辞書の作成
  • マイクロソフト製品を利用する企業への利用提案

2018年4月設立のQuantumCoreは、RNN(再起型ニューラルネットワーク)の学習法のひとつレザバーコンピューティング(Reservoir Computing)を基にした、「少量データ」を「エッジ上」で「リアルタイム学習」できる多変量時系列処理ソリューション「Qore」を提供。複雑系力学分野で研究されてきたレザバーコンピューティングは、 複雑な時系列処理などの深層学習と同じタスクについて、量子コンピューターなど特殊なハードウェアをもちいることなく、 約1/100オーダーのわずかな学習データで、約100倍近く高速に解けるとしている。

同社は、Qoreにより、ビックデータによる作りきりのモデルではなく、個人や環境へ柔軟に対応し、人に寄り添う技術の提供を実現させるとしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

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