[↑幸せ: 確率0.90]
目を見れば、それが本当の笑いか分かる、とよく言われる。もちろんその言葉は、私たち人間には、偽(にせ)笑いという、生得ではなく学習によって身につけるスキルがあることを、意味しているにすぎない。でも、人間の眼球に微妙な表現力があることが、役に立つこともある。VRの研究者たちが、目の画像だけから表情全体を推測する技術を編み出したのだ。
Google Researchが発表したその、おもしろい小さなプロジェクトは、VRヘッドセットを装着した人間の目だけを見て、表情を判断する。開かれた目の形、視線の方向、まぶたの状態、目尻の皺(がある人の場合)などなどを総合すると、実は相当大量の情報がそこにはあるのだ。
[↓無感情: 確率0.91]
ディープラーニングのシステムにとっては、いくつかのベーシックな表情と、その程度・度合いを表す測度があれば十分だ。たとえばそこには、“幸せ(Happiness)”や“驚き(Surprise)”があるだろう。ベーシックとは言えない“schadenfreude”(ひとの不幸を喜ぶ)や“mischief”(おちゃめ)などは、もっと学習しないとだめだけど。
もちろん実用化のためには、ヘッドセットの中にアイトラッキングのカメラが必要だ。そうすれば、ユーザーの今の気持ちや感情がリアルタイムで分かるようになる。