睡眠解析ベンチャーのニューロスペースは10月11日、ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルが運営するリアルテックファンドおよび個人投資家らを引受先とする、第三者割当増資による資金調達の実施を発表。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成29年度研究開発型ベンチャー支援事業への採択により交付された資金と合わせて、約1億円を調達したことを明らかにした。
ニューロスペースは2013年12月の創業。代表取締役社長の小林孝徳氏が、自身の睡眠障害の経験をきっかけに設立した。企業向けに睡眠改善プログラムを提供するほか、独自の睡眠計測デバイスと解析アルゴリズムに基づく共同研究開発なども行うベンチャーだ。
ニューロスペースでは、今回の資金調達と同時に、AIやIoT技術を活用した「睡眠解析プラットフォーム」ベータ版の提供も発表。調達資金により“スリープテック”事業を加速し、この睡眠解析プラットフォームの実用化に向けた開発を進める考えだ。また、このプラットフォームの実証実験に吉野家が参加することも決定している。
睡眠解析プラットフォームは、個人ごとの睡眠データを高精度で計測し、AIを使った独自の解析技術により個人別の解析結果、最適ソリューション、改善データを提供するための基盤となる。健康経営を推進する企業や睡眠ビジネス参入を検討する企業に開放し、API経由でデータやソリューションを自社サービスや製品に組み込むことが可能になるという。
プラットフォームの実証実験では、吉野家のシフト勤務者を対象に、睡眠計測デバイスと、計測データから睡眠改善策を提案するモバイルアプリが配布され、1カ月間の計測とレコメンデーションの実施、シフト調整などを通じて、検証が行われる。