知識ベースのGoldenが、シリーズAで1450万ドル(約15億3000万円)を調達したことを明らかにした。このラウンドをリードしたのは既存投資家Andreessen Horowitzで、そのトップであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏がGoldenの取締役会に加わった。
Goldenが昨年ローンチしたとき、創業者でCEOのJude Gomila(ジュード・ゴミラ)氏は「目標はWikipediaが弱い分野、特に最新技術とスタートアップに関する知識ベースを作ること」だと語った。
今週ゴミラ氏は「企業とテクノロジーと、これらの分野の人々」に関してはGoldenはいまでも強い、と述べた。その意味では、Crunchbaseと競合するかと思われるが、しかし企業や人に関する基本データを集めるだけでなく、量子コンピューティングや新型コロナウイルスのような重要な話題は、説明と情報の「クラスタリング」(多様な情報の集積)に力を入れている。ところで、TechCrunchとこの記事の筆者の私もGoldenにプロフィールページがあるが、特に後者は空っぽで悲しい。
ゴミラ氏によると、コミュニティのエディターに依存しているWikipediaと違って、Goldenは人工知能と自然言語処理を利用してデータの多くを集めている。そのAIは、ニュースやウェブサイト、公開データベースなどから情報を取り出している。
それを人間のスタッフが補うが、外部から間違いやより新しい情報があることを指摘してもいい。なお、以前TechCrunchの編集部にいたHolden Page(ホールデンページ)氏がGoldenの調査チームを率いている。このような、人力にも頼る編集工程の例としてゴミラ氏は、誰かが記事のリンクをペーストしたら、自動的にその記事の要約を作るツールを挙げた。
同氏氏は「今後できるだけ多くを自動化していきたいと考えていますが、現状ではこのハイブリッド方式が最も効果的な方法です」と語る。
Goldenは、有料顧客との共同事業も開始した。提携の対象はプライベートエクイティ企業やヘッジファンド、VC、バイオテクノロジー企業、企業のイノベーション推進部門、政府の省庁などだ。同社によると実際に今年は、米空軍と100万ドル(約1億500万円)の契約を結んだ。有料顧客は同社のQuery Toolなど、Goldenのリサーチエンジンを利用でき、また同社に特定の話題に関する調査をリクエストできる。
同社はこれまでに1950万ドル(20億5600万円)を調達した。今回の投資にはDCVCやHarpoon Ventures、Gigafundなどが参加している。
アンドリーセン氏は声明で「Goldenの知識データベースとリサーチエンジンは、最新技術とその背後の企業や投資家、製作者に関する情報を集積しています。人間と機械知能の協働により、Goldenのプラットホームは人々に意思決定のための最先端の知識を与え、不確定性の海を正しく航行できるようにしています」とコメントしている。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)