ロボットにお尻に触わるように言われたら、あなたはどう感じるだろうか?ばかばかしい質問かもしれないが(かもしれなくない)、ロボットが急増し、擬人化が進むにつれ、それは考えるべき問題になろうとしている。そこでスタンフォード大学の学者たちは考えた。
近々発表される予定で現在はIEEE Spectrumが事前閲覧中の研究のタイトルは、「機械的人体との接触 ― 人間型ロホットの親密な部分への触知は生理学的興奮を生む」であり、題名がすべてをものがたっている。ただし、ここで言う「興奮」は意識や注意の状態の一般的高まりを示すだけであることを注記しておく。
研究者らは被験者を人間型ロボットがリラックスしてもたれているテーブルの前に座らせる。被験者は体の部位の用語を中心とした語彙の練習であると告げられる(実際にはロボットから)。例えば、利き手で「私の耳にさわってください」と言われ、もう片方の手は身体状態を大まかに監視する伝導性センサーに置いたままにしておく。
「アクセスしやすい」領域 ― 他人の体でも普通に触れられる場所、肩、肘等 ― に触れるよう指示されると、被験者は躊躇も動揺もなく実行した。しかし、「アクセスしにくい」領域 ― ここではロボットの尻等 ― の場合、遅れと興奮が生じた。是非ビデオを見てほしい。
これはロボットが人間をナンパして気まずくさせているのではない。ただこれはインターフェースをデザインする際、心に留めておくべき種類のことだ ― この場合、ロボットそのものやその動作と姿勢に関しつ。
ロボットは人間ではないが、形が似ていて、人間のように行動し、話すように作られているため、向き合った時われわれは、そこに一時的な人間性を植えつける。スマホは人間のように見えないので、尻はなく、仮にあったとしても始終それに触れることを誰も気にとめない(かつてHTCの電話には顎があった)。しかし私は、今後10年のうちに、あなたがロボットにぶつかった時、思わず「失礼」と言ってしまうことを保証する。既に何人かの人は、ルンバを踏みつけた後、謝っているかもしれない。
Jamy Li、Wendy Ju、およびByron Reevesによるこの論文は、6月の国際コミュニケーション学会年次会議で発表される。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)