米国時間3月25日、リアルタイムで画面を共有しチームがコラボレーションできるようにするスタートアップCoScreenが、そのプロダクトを公式に市場にローンチした。また、同日までの資金調達額が460万ドル(約5億円)であることも公表している。
CoScreenのシードラウンドをリードしたのはUnusual Venturesだ。同社の共同創業者でCEOのTill Pieper(ティル・ピーパー)氏がTechCrunchのインタビューで語ったところによると、資金の大半はパンデミックの前に調達しており、残りは2020年の間に少しずつ入ってきたという。多くのエンジェルが同社への投資に参加したが、その中にはGitHubのCTOであるJason Warner(ジェイソン・ワーナー)氏もいる。
なぜ画面共有が何百万ドル(何億円)もの投資と、専属の開発チームを要するのか?良い質問だ。幸いにもCoScreenのチームは、あなたが現在、Zoomでミーティング時にチームと子犬の写真を共有するために使っているものよりもかなり良いと実証できるプロダクトを開発したのだ。
CoScreenって何だ?
CoScreenは画面共有機能を提供するが、その方法がシンプルですっきりしている。例えばあなたが自宅でMacを使っていて、私が自宅でPCを使っているとしよう。そして2人は、ある仕事でコラボレーションして、シェアをしなければならない。私のところにあるドキュメントの編集を、あなたは手伝いたい。あなたのところには画像があって、それをあなたは私に見てもらいたい。ピーパー氏によると、CoScreenを使えばワンクリックで2人は2つのアプリケーションをインターネットを介して共有できる。あなたの画像は私の画面に、あなたの画面上と同じように出現する。そして私のドキュメントも同様だ。2人はそれらを見ながらリアルタイムで話ができる。
ピーパー氏によると、リアルタイムに限りなく近づけるためには、レイテンシーがCoScreenにとって永久の課題になるという。それはもっともだが、同社は自分たちが開発したプロダクトは十分に市場に出せるものだと信じている。CoScreenはローンチまでに、WindowsとMacの両方の環境で長期に渡りβテストを行ってきた。
CoScreenは、音声とビデオのチャットもできる。それには制約があり、ビデオはウィンドウを大きくすることができない。そのため、かえってチャット時の精神的負担がない。毎日のようにZoom疲れに襲われている私には、好都合だ。
このスタートアップのプロダクトは、簡単に思えるが実はそうではないものの典型だ。瞬時に共同執筆が行えるGoogle Waveを覚えているだろうか?すばらしいものだったが、それは死んでしまった。その後継者らしきプロダクトがGoogle Docsとなるが、今でもまだ遅くて使いづらいし、未熟というよりも、ほぼ熟成されていない。リアルタイムの技術は、単純なものではないのだ。
CoScreenがスタートアップとして成功するためにできることは、現在、市場にたくさん存在するアプリにもできるのではないか?答えはどちらだろうか?Zoomはすでに成熟していたビデオチャット市場を、実際に使い物になるプロダクトで急襲した。私が使ったソフトウェアも、共有やコラボレーションはもちろんのこと、画面共有もよくできていた。だからこそ、CoScreenの技術が優れているのであれば、同社はもっと広く普及するよう努めるべきだ。
CoScreenのプロダクトは現在、数週間無料で提供されている。収益化の話はまだ早い、とピーパー氏はいう。現時点で収益化は、企業の燃えるような欲望のことではなく、プロダクトへの自信と資金力の問題だ。
最後に、同社はエンジニアやその他のアジャイルチームを狙っているようだが、私見ではこのプロダクトはいずれ、もっと広いマーケットからのニーズがありそうだ。
現時点では、CoScreenの将来を占うには数字が必要だ。同社はまだユーザー数などの数字を共有しないが、それはベータだから当然だ。次に同社を取り上げるときには、具体的な数字が欲しい。
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タグ:CoScreen、コラボレーションツール、資金調達
画像クレジット:Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)