米仏がフランスのテック大企業へのデジタル税で妥協

G7サミットでの記者会見で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、米ドナルド・トランプ大統領とテック大企業への課税に関して妥協案で合意した、と発表した。

フランスはそれでもテック大企業に課税する。しかし、テック企業が操業する国で課税される方策をOECDがまとめれば、フランスの課税をすぐにやめることを約束している。

OECDは標準化したルールでテック企業に適切に課税する方策をここ数年検討してきた。最近の発表によると、新たなフレームワークは2020年に発表されるかもしれない。

フランス独自の課税をやめるのに加え、ルモンド紙が概説したように、フランスはOECDのフレームワークの前に払いすぎた税金を企業に払い戻すことも約束している。たとえば、もしFacebookがテック大企業を対象とするフランスの課税で2019年に多額の税金を払い、OECDのフレームワークではそれよりも少ない額を払うことになった場合、フランスはその差額を払い戻す。

「フランスのデジタル税をめぐる誤解で、多くの懸念があった。我々はそれについて話し合い、そして大臣らの努力のおかげでいいディールに落ち着いたと思う」とマクロン大統領は語った。

「2国間にあった意見の相違を修正するための合意に達した。我々は共にソリューションを模索することになる。国際的な税制モデルができたとき、我々は税を排除する。支払われた全てがこの国際税から控除される。参加者全てにとって良い合意に至った。この合意では本当にネガティブな多くの問題を解決でき、国際システムを改善できる」。

7月26日のツイートの中でトランプ大統領はフランスの計画を批判していた。「フランスは、素晴らしい米テクノロジー企業にデジタル税を課そうとしている。そうした企業に課税することができるのは、企業のホームカントリーである米国であるべきだ」と彼は書いた。「我々はマクロンの馬鹿げた考えに対する相応の報復措置を間もなく発表する。私はいつも、アメリカのワインはフランスのワインより素晴らしいと言っている!」。

G7に向けて発つ直前にトランプ大統領はフランスの税について批判を繰り返し、米国はフランス産ワインに課税するだろう、と話した。

G7サミットでは、トランプ大統領は米国とフランスが合意に達したことは明らかにしなかった。CNNが報じたように、テック企業に対するフランスの課税について記者が質問したとき、トランプ大統領は「ファースト・レディはフランス産のワインが大好きだった。だから感謝したい。それでいい」と語った。

数カ月前、フランス議会はテック大企業に対する新課税を投票採決で可決した。課税の適正化スキームを避けるために、フランスで巨額の売上をあげているテック大企業はフランスで得た収入に課税される。

フランスのブルーノ・ル・メール経済大臣は最初、新しいデジタル税を欧州レベルで導入するために欧州の他国に働き掛けた。それはかなりもっともなことだったが、テック大企業が税率を下げるために複雑な欧州企業ストラクチャーを構築していることが大きな問題だった。

結局ル・メール大臣は賛同を得られず、フランス国内に限ったデジタル税をつくった。もし売上高がグローバルで7億5000万ユーロ(約880億円)超、フランスで2500万ユーロ(約29億円)超であれば、企業はフランスでの売上高の3%を納税しなければならない。

この課税は主に、マーケットプレイス(Amazonのマーケットプレイス、 Uber、Airbnbなど)と広告(Facebook、Google、Criteoなど)の2つのカテゴリーのテック企業向けのものだ。米国の企業をターゲットにしているわけではないが、フランスで操業しているテック大企業の多くは米国企業となっている。

画像クレジット:Ludovic Marin / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)