米司法省の新型コロナ関連初の摘発は偽ワクチンウェブサイト

米連邦検察は新型コロナワクチンを提供すると偽ったウェブサイトの暫定差止命令を申請し、承認された。司法省は本件を新型コロナウイルスによるパンデミック関連で最初の摘発だと説明している。

司法省は声明を発行し、新型コロナを巡る「混乱と蔓延する脅威に乗じて利益を得る」ために有線通信不正行為に関与したとされるウェブサイトに対して措置を講じたと語った。

TechCrunchが確認したところ、そのウェブサイトは世界保健機関(WHO)が「ワクチンキットを無償提供している」と偽り、無防備な被害者から少額の送料をだまし取っていた。ウェブサイトは被害者にクレジットカード情報を要求している。「実際には現在有効な新型コロナウイルスワクチンは存在せず、WHOはそのようなワクチンを配布していない」と司法省が声明に書いている。

連邦判事は同ウェブサイトの所有者に対して暫定差止命令を発行した。該当人物の名前は明らかにされていない。差止命令はサイトのドメインホストであるNamecheapに対しても、サイトをオフラインにするよう要請した。

司法省はウェブサイトの名称を公表しているが、TechCrunchは記載しない。同サイトは本稿執筆時時点ではアクセスが可能だったが、数時間後にNamecheapの広報担当者であるDerek Musso(ドレク・ムッソ)氏がサイトを停止したとTechCrunchに伝えた。

Jody Hunt(ジョディー・ハント)司法次官補は、「この国家非常時を私的利益目的に利用する犯罪行為を司法省は断じて容認しない。米国は政府のあらゆる手段を用いて、消費者をだます行為であれ、個人情報盗難であれ、マルウェア配布であれ、この最も卑劣な詐欺師たちを封じ込める」。

現在、世界中で30万件以上の新型コロナウイルスの感染例が確認されている。しかし各国当局ではいまだに検査機器が不足していることから、実際の感染者数はこれよりはるかに多いと見られている。

米国時間3月20日現在、米国では8000万人が厳重警戒下にあり、カリフォルニア州、ニューヨーク州、およびイリノイ州がこの呼吸器疾患の蔓延を食い止めようと努めている。新型コロナ蔓延によって、米国とカナダは双方が 国境閉鎖に同意し、米国は南側のメキシコ国境で不要不急の移動を禁止した。

米国時間3月19日、米国は全国民に対して前例のない「渡航自粛」を要請した。

画像クレジット:Kena Betancur / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。