今日(米国時間5/15)から、米国の4大通信会社、Verizon、AT&T、T-Mobile、およびSprintは、一部の地域でtext-to-911を提供開始した。新サービスは、名前が示す通り緊急呼び出しを電話の代わりにテキストメッセージで行えるものだ。ただし、利用するにはいくつか注意点がある。最も重要なのは、米国全土で使えるわけではないことだ。また、これらのメッセージの扱われ方は地域によって異なる。
開始時点で利用できる場所は限られているため、FCCは「911を呼ぶためにテキストに頼る」べきではない、と警告しており、情報提供ページにも「多くの場合、ショートメッセージを送っても911につながらない」と説明している。
制約がありながらも、今日2014年5月15日、通信4社は、コールセンターが対応可能な地域において、自主的にこの text-to-911 をスタートさせた。これは、全国展開に向けての大きな一歩だ。
ただし、全米で利用可能になるまでにはまだ数年かかるかもしれない。
利用は限定的
FCCが公開した報告書 (PDF)には、現在利用可能な地域および、送られてきたケキストの受信に使用されるプラットフォームが詳しく書かれている。
一部のコールセンターは、これらの「通報」を既存のTTYシステムで受信している。これは聴覚困難者向けに作られたシステムだ。しかし、それ以外では最新のブラウザーベースのシステムを利用している。
使えることは、使うべきという意味ではない
世界は、コミュニケーション手段として電話よりもテキストを好む傾向にあるが、いくつかの理由によって、簡易なテキストメッセージを主要な緊急呼び出しに使うことは可能な限り避けるべきである。まず、送信ボタンを押す前に、緊急状況に加えて自分の完全な住所をタイプする必要があることを忘れてはならない。
しゃべれる人にとって、緊急状態の説明には電話の方が便利だろう。
さらに、緊急電話の受け手は、多くの場合に様々な追加情報を尋ねなくてはならない。場所に関すること(交差する道路名や近隣等)だけでなく、背後の雑音や声を聞いて状況の把握に役立てることもある。
そうは言っても、text-to-911システムがもっと広く使えるようになれば、聴覚障害あるいは別の理由で音声通話のできない ― 例えば、電話によって危険が増す ― 場面で有効な手段になるだろう。
text-to-911サービスの詳細はここで読める。
Image credit: afagen
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)