米国でのナンバープレート監視回避は「非現実的」と米税関・国境警備局

米税関・国境警備局(CBP)は、最新のプライバシー評価の中で、同局のナンバープレートリーダーによる車の追跡を米国人が回避する現実的な方法はないと認めた。

CBPは、最初の評価の後3年を経て新しい評価を発表した。その中で国境取締りの一環として、民間と公共の両方のソースからのナンバープレートデータを集約する商用データベースを利用予定だと公表した。

米国には、通常路肩に設置されるナンバープレートリーダーの大規模なネットワークがあり、通過する車両のナンバープレートを収集・記録している。ナンバープレートリーダーは、毎分数千のナンバープレートを捕捉することができる。記録されたナンバープレートは大規模なデータベースに保存され、それを利用して警察や法執行機関は全国数百万台の車両を追跡できる。

CBPがナンバープレートデータを収集できることを米国人が「気付いていない可能性がある」ため、同局はプライバシー評価を一部更新した。

「CBPは、管轄外のさまざまなソースから取得したナンバープレートの読み取り結果についてタイムリーに通知することはできない」とプライバシー評価は述べている。「多くの公共または私有の敷地内には監視下にあることを個人に警告する標識が設けられている。ただし標識にはデータが誰とどのように共有されるのかについて常に説明が付されているわけではない」

しかし文書の中でCBPはこう認めている。「そうした監視を免れる唯一の方法は、影響を受ける地域を避けることだ。これは非常に難しく、一般的には非現実的だ」

CBPは米国から出発した米国人旅行者の顔を撮影した件に関する2017年の裁判でも同様のトーンだった。当時、市民の自由に関する市民団体から怒りを買った。CBPは、顔の撮影を避けたい旅行者は「旅行を控える」必要があると述べた。

この文書は、CBPが通常運用している100マイル(約161キロメートル)国境地帯の外を含め、同局が「米国内のどこで捕捉したライセンスプレートデータであってもアクセスできる」ため、米国人にとってプライバシーのリスクが「高まる」と付け加えている。

CBPは追加調査を必要とする「状況証拠または裏付けとなる証拠」がある場合にのみナンバープレートデータにアクセスすることでリスクを軽減しており、しかも検索日から5年以内のデータにのみアクセスできると述べた。

CBPのスポークスパーソンであるMatthew Dyman(マシュー・ダイマン)氏はプライバシー評価について聞かれ、次のように答えた。「ナンバープレートリーダーを避けるにはどうすればよいのか。ここワシントンDCでスピードカメラを避けることはできるのか」

CBPのナンバープレートデータに関する業績は優れているとはいえない。CBPは昨年、下請け業者のPerceptics(パーセプティクス)が南部国境にある米国の出入国所で1カ月半にわたり「10万件未満」のナンバープレートデータを不適切にコピーしたと認めた。その後、代理店はPercepticsとの契約を停止した。

画像クレジット:Pablo Martinez Monsivais / AP

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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