何百もの生活雑貨や、一連のApple(アップル)プロダクトを含む消費者向けテック商品が対象となる、中国製品への新たな15%追加関税が米国時間9月1日深夜に発動する。
中国との貿易戦争の一環としてドナルド・トランプ大統領が発動したこの関税は米国時間8月30日に米国の官報に掲載された。
時価総額で米国最大のテック企業であるAppleの製品は、組み立てをFoxconn(フォックスコン、鴻海精密工業)が中国で行い、世界中に出荷している。 AirPods、Apple Watch、Apple Watchバンド、Homepodはすべて9月1日発動の追加関税の対象となる。今回の追加関税ではiPhoneは影響は受けない見通しだが、12月15日からの追加関税の対象となるかもしれない。
中国で最終組立を行うテック企業として、Appleだけが今回の関税で影響を受けるわけではない。テレビ、スピーカー、デジカメ、リチウムイオン電池、フラッシュドライブも、9月1日に発動する15%追加関税の対象となる消費者向けプロダクトの中に入っている。しかしさらなる関税はライバルのSamsung(サムスン)にとっては有利に働く。
新たな追加関税は、AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏がトランプ大統領と会い、関税では同社にとって最大のライバルであるサムスンが恩恵を受けると語ってから、わずか数週間後に発動することになる。
15%の追加関税は、中国からの輸入3000億ドルぶんんを対象とするとしていた当初よりも少ない、1120億ドルぶんに課せられる。先週、米通商代表部はいくつかのプロダクトについては追加関税を12月15日まで延期したり、一部の製品を対象から外したりすなど、当初のリストを修正した。
対象は減ったものの、それでも中国から製品を輸入している企業にとって影響は大きい。15%追加関税の対象となる製品のリストは122ページにもおよぶ。最終的にはこの痛み、つまり価格の上昇は消費者に回ってくる。
Appleは自社製品を値上げするかどうか語っていない。JP MorganのアナリストはAppleがコストを吸収すると予想している。
Consumer Tech Associationによると、関税の影響はすでに出ている。中国に対するスーパー301号(米国の包括通商法の条項のひとつ、不公正な貿易への対処、報復を目的とする)により、2018年7月以来、5G関連プロダクトの10億ドルを含め、消費者テック産業に100億ドルものコストが生じている。
累計で、米国の消費者は貿易戦争が始まった2018年から今年7月にかけて270億ドルも余計に輸入関税を払った。米情報技術工業協議会(ITI)の国勢調査によると、その大半が米中貿易戦争によるものだ。
2500億ドルぶんの製品を対象とする30%の追加関税は10月1日に発動する見通しだ。
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(翻訳:Mizoguchi)