米国の警察無線傍受アプリが記録的ダウンロード数を達成、抗議デモが影響か

先週末、警察無線傍受などのアプリが米国で記録的ダウンロード数を達成した。警察がジョージ・フロイド氏を死亡させたことに対する全国的抗議行動(New York Times記事)の最中のことだ。アプリ調査情報会社のApptopia(アップトピア)の最新データによると、米国警察の無線傍受アプリは5月29日の金曜日とその後の週末合わせて21万3000回ダウンロードされ、前の週末の記録を125%上回った。

ダウンロード数ランキングの上位には、類似でどちらかというと一般的な「Scanner Radio-Fire and Police Scanner」「Police Scanner」「5-0 Radio Police Scanner」「Police Scanner Radio & Fiire」「Police Scanner+」などのアプリが並んだ。

Police Scannerのダウンロード数がこの中で最も多く、5月29日に1万9000回以上、5月30日に2万4000回近く、5月31日には3万7500回以上ダウンロードされた。しかし、1日のアクティブユーザー数ではScanner Radioのほうが週末を通して数が多く、この期間1日当り4万3000〜4万5000回近くがアプリを使っていた。Police Scannerがこれに続き、3万8000~4万人以上のユーザーが利用したとApptopiaは報告している。

全体では、ダウンロード数はこの分野のアプリ全体にかなり分散している。これは、アプリストアで検索して見つけたアプリをダウンロードした人が多く、口コミや宣伝などで特定のアプリが広まったのではないことを示している。

警察無線傍受アプリの記録的ダウンロードに加えて、ほかにも抗議活動のためにダウンロードが大幅に増えたアプリが2つある。暗号化メッセージアプリのSignalと、リアルタイム警報とライブビデオのためのコミュニティー安全アプリのCitizenだ。

この週末にSignalは3万7000回近く、Citizenは4万8000回以上ダウンロードされた。5月31日にはどちらのアプリも米国内での1日当りダウンロード数の新記録を達成し、Citizenが2万4000回、Signalが1万5000回だった。

無線傍受やコミュニケーションアプリは、週末の抗議活動の追跡に使われたツールの一部にすぎない。ユーザーは、Facebook、Twitter、Snapchatなどのソーシャルメディアでも投稿やビデオの共有で連絡をとっている。ソーシャルメディアのほうがニュース記事よりも正しく状況を伝える(GritDaily記事)という人たちもいる。マスメディアはコンテンツが編集されていたり、偏向していたり、注目されにくい重要なニュースを逃している(Wallstreet Journal記事)ことがあるからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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