Targetは米国時間8月29日、注文したものをカーブサイド(道路脇)で同日にピックアップできるサービス「Drive Up」が全米50州で利用できるようになったと発表した。このサービスでは、消費者はオンラインで買い物したあと地元の実在店舗に行って決められた場所に車を停めると、購入したものをTargetのスタッフが車まで持ってきてくれる。
技術的な要件、インフラ、オンライン注文に早急に対応するために必要な運用の変更などを考えたとき、Drive Upはかなり速いペースで拡大してきた。
同社は2018年4月に初めて、同社の本拠地マーケットである米国ミネアポリス・セントポール近くの店舗でDrive Upを導入した。そこでは2017年10月からテストが行われていた。正式なサービス開始で、Drive Upはすぐさまフロリダやテキサス、南東エリアの約270店舗で利用できるようになった。計画では2018年末までに1000店舗で展開するとしていたが、夏までに800店舗を超えた。
そして2018年10月に1000店舗というマイルストーンを達成した。
いま、学校が始まる前の買い物時期だが、Drive Upは1500店舗超で利用できるようになっている。
直近では、アラスカ、ハワイ、ワシントン、オレゴン、アイダホ、ノースダコタ、サウスダコタ、モンタナ、ワイオミングでの提供が開始し、今日のサービス拡大発表時点では、Drive Upの利用が可能な店は1750店舗に達した。店舗でこのサービスを新たに開始するときには、初めて利用する客におまけとして製品サンプルを配り、またの利用を促している。
店内には入らないとしても、総じてDrive Upは店舗に消費者を連れてくるのに貢献しているようだ。
導入から2年もかからずして、Drive UpはTargetの最も人気のサービスとなった。直近の決算でTargetは、Drive Upのオーダー件数が今年上半期だけで500万件近くにのぼり、これは2018年の総数の倍以上となる、と記している。
Targetは最近、第2四半期に同日ピックアップをオーダーした客のおおよそ5人に1人がTargetでの注文は初めてだったとも述べた。
Drive Upのバックエンド、そしてカーブサイドでの注文品のピックアップや引き渡しも、時間とともに改善しつつある。
立ち上げ当初、TargetはDrive Up注文を2時間以内に用意することができるとしていた。しかし今では1時間でできると話す。
今年のクリスマス商戦シーズンまでにTargetは、米国にある店舗1855店のほとんどでDrive Upサービスを提供するとしている。
「我々は顧客からはっきりとしたメッセージを受け取った。買うものが家庭用品だろうが、ドライブのスナックだろうが、はたまた赤ちゃん用品だろうが、客は絶対的にDrive Upの手軽さと便利さを好む」と、同社の上級副社長Dawn Block(ドーン・ブロック)氏は同サービスの全国拡大についての発表文で述べた。「なので、我々のチームは導入から2年もたたずして全50州に拡大すべく、懸命に取り組んだ。この取り組みはまだ終わっていない。チームはこのサービスがさらに良いものになるよう模索している」。
しかしながらこのサービスに競合するものがないわけではない。
Walmart(ウォルマート)は、車に乗ったまま商品が受け取れるサービスを2500店舗超で提供している。Sam’s Club(サムズ・クラブ)は全国での同日ピックアップを7月に発表した。これまで実在店舗を持っていなかったAmazonは車での商品受け取りの脅威に素早く反応してきた。最近では、Rite Aid(ライト・エイド)との新たな提携を発表した。この提携では、年末までに1500店舗となることが予想されるRite Aidの店で商品ピックアップができるという、無料の Counterサービスが始まる(AmazonはまたいくつかのWhole Foodsでグローサリーピックアップを提供している)。
だが、店舗での商品ピックアップはカーブサイドサービスほどに便利ではない。特にカーブサイドをよく利用する親、中でも小さな子供を持つ人にとってはそうだ。例えば、TargetのDrive Upのベストセラー商品はおむつやお尻拭き、粉ミルクだったりする。
Drive UpはTargetがAmazonに対抗する策のひとつだ。Targetはまた、同日配達サービスShiptや、オンライン注文のピックアップ、日用品の購読サービス、Prime Pantryに対抗する翌日配達サービスのTarget Restockを展開している。
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(翻訳:Mizoguchi)