米株式市場は再び暴落、SaaS株が最大の打撃を受けている

ほんの数日前まで「株価は上がる一方」だの「いや、Tesla(テスラ)が株式分割で値上がりするのは理にかなっている」など株式市場に関するオンラインニュースの見出しはどうでもいいものばかりだった。しかし、米国時間9月4日と昨日、すべては地獄に堕ちた。

つまるところ株は下がるものであり、そのときはものすごく速い。そして、ひどいスランプに耐えられるテスラでさえ、時価総額で何百億ドルも失っている。

何が起きているのか?1つに理由に絞るのば不可能だが、米国が今も新型コロナウイルスの影響を受けていること、高い失業率や関連する問題が広く経済を蝕んでいることは間違いない。

アップデート:本稿執筆中に、Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)とWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、ソフトバンクによる巨大な投資が、テック株高騰の少なくとも一部の理由であったと報じた。もちろんTechCrunchはいまもこの件を追究しているが、上記の段落を補うために書かせてもらった。

米国株式市場はここ数日史上最高値の更新を続けていた。おそらく、今のところこの2日間の暴落が起きるまでなぜそんなに好調だったかを問うべきだろう。中でも国内のテック関連株が。

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そして、大部分の報いを受けているのは、将来の成長を期待されていた一部のテック企業だ。そう、SaaS(サーズ、サービスとしてのソフトウェア)株とクラウド株は売上マルチプルが限界点に達するかのような歴史的好調を続けた後、1週間ぶんの利益を失った。

米国時間9月3日のダメージは深刻だった(CNBC記事)。

  • ダウ平均:808ポイント安、マイナス2.8%
  • S&P 500:126ポイント安、マイナス3.5%
  • Nasdaq:598ポイント安、マイナス5%
  • SaaS・クラウド株(ベッセマー指標による):マイナス8.2%

これはとんでもない事態だ。そして9月4日も相当にひどいが、以下の数字には最安値からの反発結果も含まれている。

  • ダウ平均:381.3ポイント安、マイナス1.35%
  • S&P 500:69.5ポイント安、マイナス2%
  • Nasdaq:403.2ポイント安、マイナス3.5%
  • SaaS・クラウド株(ベッセマー指標による):マイナス6%

テック株は最悪の打撃を受けている。そしてテック株の中でもSaaSとクラウド株はさらにひどい下落を体験している。以前本誌は、一部のテック株は成長が投資家の機会を裏切ったときに報いを受けると指摘したが、今はSaaS分野全体が成長の期待を裏切っているのかもしれない。

強気筋は、この値下がりはほんの数週間分の利益であり、加速するデジタルへの転換はSaaSの強い追い風になっているというかもしれない。弱気筋は、これはテック株の大幅下落の始まりであり、これまでが高すぎただけだったと言うかもしれない。確実に言えるのは、ソフトウェア株は予想外の暴落の中にあり、われわれが気にかけているその他の株も似たような状況にあるということだ。

9月7日月曜日は株式市場が休みなので、果たしてこの出血が止まるか、そのまま続くのかは8日火曜日に見ることになる。

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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