米食品医薬品局(FDA)はPfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認した。新型コロナワクチンの正式承認は初となる。mRNAベースのワクチンは緊急使用許可(EUA)を通じて2020年後半から使えるようになっていた。別の承認プロセスが終わるまでは12〜15歳への接種はEUAの下に行われるが、16歳以上向けにはPfizerワクチンは正式承認されたものとなる。
承認の取得は、PfizerとBioNTechが正式に米国内でワクチンを販促できることを意味する。そしてFDAはワクチンが「Comirnarty(コミナルティ)」というトレードドレスのもとに提供されることを明らかにした。このトレードドレスはさほどキャッチーな印象はないが、少なくとも「PfizerとBioNTechの新型コロナワクチン」よりは呼びやすい短さだ。FDAの承認はまた、臨床前データ、臨床試験データ、製造に関する情報、EUA期間の使用から集められたデータを含め、ワクチンが安全性と有効性の基準をすべて満たしていることを意味する。
今回の正式承認は、利用できるにもかかわらずワクチンをまだ接種していないことの言い訳として「正式に承認されるまで待つ」と言ってきた日和見主義者に接種を促すものになるという期待がある。少なくとも、パンデミックに向き合う中で接種を躊躇している人にとって理性的ではない無責任なスタンスを正当化することは難しくなる。
ComirnartyはFDAによって「優先審査」対象となっていた。これは実質的に当局が審査を進めるためにそのプロセスに全力を注いだことを意味する。Moderna(モデルナ)の承認については言及がなかったが、こちらも優先的に審査されている。
TechCrunchはTC Disrupt 2021でBioNTechのCEOで共同創業者のUğur Şahin(ウール・シャヒン)氏に話を聞く。9月21〜23日に開催されるバーチャルイベントをお見逃しなく。
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画像クレジット:JUSTIN TALLIS/AFP / Getty Images
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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi)