米Jiobitが子供はもちろんペットも追跡する小型トラッカーJiobit Nextを発表

シカゴに拠点を置くスタートアップのJiobitは、大きくて扱いにくいスマートウォッチや市場に存在する信頼できない設計の製品よりも優れたデバイスで子供の居場所を追跡することを目指している。同社は2018年にキッズトラッカーを発売した。靴ひもやベルト通し、ランドセルなどに取りつけられる小さなデバイスだ。米国時間2月8日、同社はこのデバイスの次世代版で精度、バッテリー駆動時間、信頼性などが向上したJiobit Nextを発表した。

同社は、2年間で学んだことや顧客からのフィードバックを新たなデザインの開発に活かし、子供だけでなくペットにも使えるようにしたと述べている。

Jiobitの次世代版は129.99ドル(約1万3600円)で、25セント硬貨4枚より軽い小さなデバイスだ(25セント硬貨1枚は5.67g)。Bluetooth、Wi-Fi、携帯電話回線、GPSを利用でき、加速度 / 歩数、温度、気圧のセンサーも搭載されている。

画像クレジット:Jiobit

次世代版には電波の状況が厳しい学校や店舗、高層ビルの中などでパフォーマンスを上げる新しいアンテナシステムが内蔵されていると同社は説明している。

大都市以外など携帯電話回線のサービスが弱いエリアでもサービスを向上できるように、LPWA(Low Power Wide Area)ワイヤレスネットワークも利用している。このため、Wi-FiやBluetoothのメッシュネットワーク外でもデバイスを追跡できる。

新しいJiobitは防水性能(IPX8)も最深5フィート(約1.5m)の水深で最長30分間までと強化され、デバイスの持ち主が迷子になったり危険な状況になったりしたときに家族などにすぐに通知するためのアラートボタンも備えている。このボタンはJiobitアプリで誰にアラートを送信するかを設定できる。ボタンをオフにすることもできるので、子供がまだ小さくて使い方を理解できない場合などに便利だろう。

管理者はアプリでデバイスをモニターできるほか、アラートや通知の制御も含めて新たにウェブアプリでもモニターできるようになった。これにより家族だけでなく、組織が現場にJiobitを配備する際にもサービスを利用できるようになった。

ソフトウェアベースの追跡アプリの一部で実現しているように、Jiobitのデバイスは「信頼できる場所」の機能をサポートしている。信頼できる場所とは、たとえば学校や犬の一時預かりなどのように、ある時間帯にデバイスがあるはずの場所のことだ。デバイスが信頼できる場所にない場合は「ライブモード」を有効にしてリアルタイムで動きを見ることができる。

画像クレジット:Jiobit

進化した点としてもう1つ重要なのが、バッテリー駆動時間だ。次世代版は以前の製品よりバッテリー駆動時間が50%長くなっているという。標準的な使い方では充電後に最大10日間駆動するが、スタンバイモードになっていてアクティブに使われていない場合にはさらにそれより長くもつ(このため、ペットに着けている場合などには10〜20日間動作するだろう)。

Jiobitの元のアイデアは、Motorolaのバイスプレジデントだった創業者のJohn Renaldi(ジョン・レナルディ)氏が、市場にあるキッズトラッカーの大半は証明書の鍵が平文で保存されハッキングできる状態であることに気づいて衝撃を受けたことから生まれた。同氏はもっとセキュアな製品を作りたいと考え、Motorolaのエンジニアリング担当ディレクターだった共同創業者でCTOのRoger Ady(ロジャー・アディ)氏に話を持ちかけた。

現在、Jiobitには専用のセキュリティチップが使われ、同社のサーバと通信している。AES-256の「Jiobit TrustChip」テクノロジーで、静止中と移動中の両方のデータをTLS1.2で暗号化する。また、マルウェアや「悪さをする」ソフトウェアがインストールされることを防ぐため、Jiobitが暗号化された署名をしていないソフトウェアは一切ダウンロードできない。

画像クレジット:Jiobit

一方、サービス自体は米国のCOPPA(自動オンラインプライバシー保護法)に準拠している。

新製品のJiobit Nextは米国内でのみ動作するが、第1世代の製品は146カ国で動作する。どちらの製品もサブスクリプションで今後も利用できる予定だ。ユーザーは2年契約(毎月8.99ドル、約940円)、6カ月契約(毎月12.99ドル、約1360円)、長期契約なし(毎月14.99ドル、約1570円)のいずれかのプランを選択する。他のキッズトラッカーやスマートウォッチとは異なり、携帯電話回線の契約や現在使っている携帯電話会社のSIMカードは必要ない。

JiobitはこれまでにNetgearや米国中西部のVCから1200万ドル(約12億5500万円)を調達したと述べている。これまでに販売したデバイスの台数は公表していないが、「5桁台の半ば」だという。

新しいデバイスは現在予約受付中で、2021年2月後半からJiobitのウェブサイトで、その後Amazon、Chewy、Targetで販売が開始される。従来は家族追跡アプリのLife360との協力で特別価格で提供されていた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Jiobitトラッカー

画像クレジット:Jiobit

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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