細胞と組織が自然に発達発育していく能力をプログラミングして簡単に生物機械(バイオマシン)を作れそうだ

生物学とテクノロジーの境界は、研究者たちが両者間の相似性を次々と発見していくに伴い、ますます薄れつつある。今日(米国時間12/28)彼らが発見したのは、細胞中にパターンをプログラミングすることによって生きてる組織をハックすることが、比較的容易にできる、ということだ。それらの組織は、成長するに伴い、鉢、コイル、箱など、プログラミングされたとおりの形になっていくのだ。

上図の画像は、結果の一部だ。たとえば右下のオブジェクトは、組み立て式家具のように自分で自分を折りたたんでキューブ(立方体)になる。

生きた細胞から、生体にそのまま移植できるマシンを作ることは、長年の研究テーマだった。でもそれらの形の成形は、型(かた)を使ったり、3Dプリンターを使ったりする方法がもっぱらで、組織自体が目的の形に‘成長’していくことは、不可能だった。

しかしここでご紹介するテクニックでは、細胞はほぼふつうに成長していくが、その過程でDNA-programmed Assembly of Cells (DPAC)(DNAをプログラミングした細胞組み立て)と呼ばれる技法により、成長をガイドする。細胞そのものは正常に発達していき、プログラミングされたDNAは細胞自身の中にはない。しかし、それがある種のテンプレートになることによって、成長する細胞の形を変えていく。

ペーパーの図版は、事前に描いたパターンにより指定した形の折りたたみ構造を作れることを示している。

DNAのパターンに基づいて成長する組織の層が、自然にカーブしたり、折りたたまれたりして、目的の形になっていく(上図)。

この研究のペーパーを書いたZev Gartnerは、こう言っている: “このアイデアがあっさりと有効であることにも驚いたし、細胞の振る舞いがすごく単純なことにも驚いた。細胞の発達が、技術者がそこに絵を描くバイオ工学のキャンバスのようなものになるし、発達という本来は複雑な過程を、シンプルな工学的原理に還元できる。科学者たちは基本的な生物学の理解を深め、最終的にはそれをコントロールできるようになる”。

これもやはり、自然に逆らうよりも自然と協働した方がうまくいく、という例のひとつだろう。細胞が自然にやることをそのまま利用して、やりたいことを自然にやらせる。結果が前もって分かる(predictable)だけでなく、単純に実現する。このテクニックは最終的には生物機械の作成工程に使われるだろうし、医学のためのさまざまな構造物も作れるだろう。

この研究を行ったのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のチームで、ペーパーは今日(米国時間12/28)、Developmental Cell誌に載った

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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