美容動画メディア「MimiTV」がライブコマースに進出、B Dashから1億円の資金調達も

ライブ配信中に紹介された商品をシームレスに購入できる「ライブコマース」は、動画配信とコマースを組み合わせた新たな購買体験として現在注目を集めている。

たとえば以前Candeeのライブコマースサービス開始のニュースでも紹介したように、中国では日本に先駆けてライブコマースが盛り上がっており、年間売上二桁億円に達した事例もあるほど。日本国内でも前述のCandeeが「Live Shop!」をリリースしたり、メルカリがライブコマース機能を取り入れ話題を呼んだりと、今後さらに賑わっていきそうな領域だ。

そして20代の女性を中心に指示を受ける美容動画メディア「MimiTV」も、新たにその分野へ進出を決めたサービスの1つ。MimiTVは8月3日より、アプリ内でライブコマース機能「MimiLIVEチャンネル」の提供を始める。これによりMimiTVのユーザーは動画に登場するモデルやインフルエンサーとリアルタイムに交流し、ライブ中に紹介されたアイテムを購入できるようになる。

MimiTVは美容領域に特化した、いわゆる分散型の動画メディアだ。自社アプリに加えYoutubeやFacebook、Instagram、Twitterといった各プラットフォームで制作した動画を配信。20万人以上がチャンネル登録をするYoutubeを筆頭に、美容情報にアクティブなフォロワーを約40万人ほど抱える。

動画やテキストで女性向けに美容情報を提供するメディアは少なくないが、MimiTVの1つの特徴は10分前後と比較的長い動画コンテンツが多いこと。MimiTVで代表取締役を務める山下主暉氏に話を聞くと「ユーザーにとって価値のある本格的なハウツー情報を届ける」ことを目指した結果、このような長さになっているという。(動画を配信するプラットフォームやテーマによっても様々で、MimiTVのコンテンツにも短めのものもある)

「当初から美容の情報はMimiTVを見ておけば安心と思ってもらえるようなサービスを目指してやってきた。たとえば個々のYouTuberが配信している動画には非常に参考になるものも多いが、個人でやるとどうしても動画の数が限られる。MimiTVでは自社で動画を安定的に生産できる体制を整備することで、幅広いコンテンツを提供できている点が特徴。現在は月間で約200本の動画を公開している」(山下氏)

今回スタートするMimiLIVEチャンネルは、MimiTVを利用するユーザーが今以上に便利になるような機能を考えた結果生まれたものだという。

「ライブ配信機能を提供することで双方向のコミュニケーションを実現し、より楽しんでもらえるようなアプリにしていきたい。商品の魅力や使い方をライブで配信することでリアルな質感や使い心地を伝えることができれば、満足度や信憑性の向上にもつながる。この機能でたくさん商品を売りたいというよりは、UXを高める1つの形として考えている」(山下氏)

MimiTVのローンチは2015年で、もともとは2016年10月にクルーズに買収されたCandleの一事業として始まったサービスだ。国内の動画市場が盛り上がる中でよりスピード感ある運営をすべく2017年5月に分社化を決定。CandleでMiniTVの事業責任者だった山下氏が代表に就任。7月にはB Dash Venturesから1億円の資金調達を行っている。

MiniTVでは、今回リリースしたMimiLIVEチャンネルも含めたサービスの機能改善を進めると同時にインスタグラマーや人気モデルの開拓にも力を入れるとしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。