重要な選挙を前に、4人のベテラン上院議員が「既知の脆弱性」のある機器を売り続ける米国の大手自動投票機メーカー3社に回答を要求した。
米国時間3月27日に送られた書簡は、選挙機器メーカーのES&S、Dominion VotingおよびHart InterCivic に対して、悪用されると選挙結果を蝕む恐れのある脆弱性を持つ数十年前の機械を売り続ける理由の説明を求めている。
「国民の選挙の信憑性はわれわれが投票に使用する機械に直接結びついている」と、上院議員らが発信した書簡は言う。エイミー・クロブチャー(民・ミネソタ)、マーク・ワーナー(民・バージニア)、ジャック・リード(民・ロードアイランド)、ゲーリー・ピーターズ(民・ミシガン)の4人は、それぞれ、立法、諜報、軍事、国土安全保障の各委員会の重鎮だ。「これほど重大な責任を負っていながら、選挙機器業界には有意義な革新がなく、我々の民主主義はそのつけを払っている」と書簡は付け加えた。
主な問題は、この3社だけで米国選挙機器市場シェアの90%以上を占めているが、これらの自動投票機には紙の投票用紙がないため、バグがあったとき投票が正確に数えられたのかどうか調べるのが困難なことだ。
にもかかわらず、何千万台ものその同じ機械が、来る2020年の大統領選挙に使用される見込みだ。
ES&SとDiminionの広報担当者は受け取った書簡に関して回答する予定。Hart InterCivicはコメントの要求に返信がない。
大統領選挙に出馬するクロブチャーを含め4人の上院議員は、選挙は今も「深刻な脅威に曝されている」と言った。
セキュリティー専門家は何年も前から自動投票機の危険に対して警鐘を鳴らしてきた。最大の問題は、これらの機器が容易にハックされ選挙結果に干渉される可能性があることだ。つい数カ月前、テキサスの一部の郡で行われた期日前投票で、投票者がHart製の機器に問題を発見し、一部のケースで投票画面から選択肢が完全に消えていた。ES&Sは、セキュリティー研究者にシステムを提供しないと発表したことで議会で怒りを買った。その発表は選挙システムのハッキングコンテストであるDEF CON Voting Villageで同社の自動投票機がハックされ壊滅的評価を受けてから間もない出来事だった。
民主党幹部らは、紙の投票用紙は信頼できる投票システムにとって「基本的必需品」であると言っているが、企業は今も紙を出力しない機器を作り続けている。昨年民主党議員は、将来の選挙で紙の記録を必須にする 法案を提出したが、通過しなかった。
各社は4月9日までに上院議員の書簡に回答しなくてはならない。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )