シリコンバレーで最後の株式非公開企業の1つであるKodiak Robotics(コディアック・ロボティクス)が、新たに1億2500万ドル(約142億円)の資金を調達した。この資金は、商業化に向けて従業員を倍増させるために使用される。
募集を超えた応募があった今回のシリーズBラウンドは、出資者の数が非常に多いことに加え、主導した投資家の名前が公表されていないことが特徴的だ。TechCrunchが耳にした話によると、ある貨物・物流会社が、このラウンドの戦略的主導投資家として、特別利害関係者向けの金融機関を設立したとのこと。
それ以外の投資家には、新たに加わったSIP Global Partners(SIPグローバル・パートナーズ)、Muirwoods Ventures(ミュアウッズ・ベンチャーズ)、Harpoon Ventures(ハープーン・ベンチャーズ)、StepStone Group(ステップストーン・グループ)、Gopher Asset Management(ゴーファー・アセット・マネジメント)、Walleye Capital(ウォールアイ・キャピタル)、Aliya Capital Partners(アリヤ・キャピタル・パートナーズ)などが含まれる。また、既存投資家であるBattery Ventures(バッテリー・ベンチャーズ)、CRV、Lightspeed Venture Partners(ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ)も参加した。2021年6月にKodiakへの戦略的投資を発表していたBridgestone Americas(ブリヂストン・アメリカス)とBMW i Venturesは、今回のラウンドで資金を転換した。
Kodiakは、2018年の創業以来、合計で1億6500万ドル(約188億円)を調達している。同社は評価額を公表していない。
多くのスタートアップ企業と同様に、この資金はより多くの人材を雇用するために使われる。Kodiakでは、従業員数を現在の90人から、来年末までに約170人に増やすことを目指している。
創業者兼CEOのDon Burnette(ドン・バーネット)氏によれば、今度の採用は社内のすべての部署に及ぶという。新たに調達した資金は、業務の拡大と保有車両の拡充に充てる予定だ。Kodiakでは、少なくとも15台のトラックを追加し、合計25台以上の自動運転走行車を展開する計画だ。
「私たちは規模を拡大する必要があり、規模の拡大には会社全体の成長が伴います。より多くのドライバー、オペレーター、エンジニアが必要になります」と、バーネット氏はTechCrunchによるインタビューで語った。「研究開発が資金の主な使途であることは間違いありませんが、車両フリートの規模拡大も大きな課題です。当然ながら、この分野を見ていると、商業的な牽引力、顧客、パートナー、走行距離、自動運転貨物輸送ネットワークの規模などへの関心が、ますます高まっていることがわかります。私たちはこれらすべてに対する取り組みを拡大していくつもりですが、それにはお金がかかります」。
今回のシリーズBラウンドは、Kodiakの非常に重要な時期に実施された。同社の規模は、他の自動運転技術企業でトラック輸送を目指しているAurora(オーロラ)やWaymo(ウェイモ)などと比べたら数分の一に過ぎない。しかし、はるかに規模が大きくて資金力のあるライバル企業よりも、Kodiakは資本効率が高いと、バーネット氏は主張している。
これはKodiakが永遠に資金調達を求め続けるという意味ではない。経営の規模が大きくなれば、同社はさらに資金を求め、公開上場や非登録証券市場という選択肢を検討することになるだろう。バーネット氏は合併は考えておらず、買収も求めていないと述べている。自動運転技術業界の資金調達について、バーネット氏は「今後の展開が非常に興味深い」と語っている。「投資欲求をそそるかという観点から考えると、今回のラウンドが非常に多くの応募を集めたことは、投資家の関心がまだ高いことを示していると思います。競合他社の多くが株式を公開しているため、非公開市場では、Kodiakは大きな進展が見られる最後の非上場の自動運転トラック企業の1つとして位置づけられます」。
10月にKodiakは、第4世代となる自動運転走行トラックシステムの詳細を明らかにし、自社の保有するPACCAR(パッカー)製クラス8トラックを15台、増車すると発表した(現在は10台のトラックが導入されている)。この第4世代のトラックには、フロントルーフラインに設置されたセンターポッドと、両サイドミラーに組み込まれた左右のポッドに、モジュール式のセンサー群が搭載されている。
画像クレジット:Kodiak Robotics
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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)