航空機のBoeingが超セキュアなスマートフォンBlackをFCCに申請, お役所でBlackBerryの座を奪うか

BlackBerryは今でも官公庁ご愛用の座を捨てていないが、でも航空機メーカーのBoeingが発売するAndroid製品にその座を脅かされるかもしれない。この大手航空機メーカーは昨年、セキュアなスマートフォンを開発していることをついに自白したが、Myceによると、今やその”Boeing Black”と呼ばれる機種がFCCに申請されているのだ。

Boeing Blackは“主に政府省庁と、国防や国土安全保障に関わる政府契約企業に売られる”。そしてその際、“低レベルの技術情報や操作情報は一般に公開されない”。FCCに提出された申請書類には、そう書いてある。だからこれは、Silent CircleとGeeksphoneが共同開発し、一般消費者向けにプライバシーの保護を強化したBlackphoneとは、全然異なるものだ。

でも、これがBlackBerryの合衆国における残存シェアの、横っ腹に刺さるナイフであることは、間違いない。このカナダのスマートフォンメーカーは、国防総省の職員に1月31日以降8万台のBlackBerryフォーンを提供する、というペンタゴンとのおいしい契約を結んだばかりだ。だから今でもBlack Berryは、セキュリティを重視するお役所でいちばん多く選ばれている機種だといえる。

Samsungもこの市場をこじ開けようとして、BYOD専用を謳うKNOXソフトウェアとそのマーケットプレースを打ち出してきた。でもそれは今のところ、BlackBerryほどロバストな(堅固な)製品ではないようで、また、Boeingが提供しようとしている、デュアルSIMでLTE対応の超守秘機種には遠く及ばない。でもSamsungに、官公庁需要という大きな市場を諦める気配はなく、製品の進化を今後も続けていくようだ。

今のところBlackBerryは、機密性を重視する大企業やお役所などで筆頭に選ばれているスマートフォンだが、でもおそらく、今後もっと事業を多様化しないかぎり、続かないだろう。同社がこれまで得意としてきた、セキュリティを重視する市場も、BoeingのBlackが荒らしてしまうかもしれないし、もしかしたら首位の座をBlackBerryから奪うかもしれない。

それではここで、上で言及した3つの新しいスマートフォンプラットホームを、簡単に比較しておこう:

  • KNOX: デバイスを二台持ちたくない(国家機密などとはとくに関係のない)大企業ユーザがBYODでセキュリティを確保できる。
  • Blackphone: 心配性の消費者のためのスマートフォン。プライバシーを守るためなら、すこしお金がかかってもよい、と思っている人用。Snowdenに影響された人用。
  • Boeing Black: ジェームズ・ボンドが使う、自己破壊するスマートフォン。コミュニケーションはできるが、スパイは入り込めない。これもSnowdenに影響された製品だが、ただし心配の方向が上とは180度逆。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))