英裁判所がウィキリークス創設者に50週の禁固刑

WikiLeaks(ウィキリークス)の創設者であるJulian Assange(ジュリアン・アサンジュ)被告は今日、2012年に保釈中の条件に違反したとして英国のSouthwark Crown裁判所から50週の禁固刑を言い渡された。アサンジ被告への量刑言い渡しを受け、WikiLeaksはツイートの中で「ショッキング」で「報復的だ」と決めつけた。

同被告は先月、エクアドルがそれまで彼に与えていた政治亡命を認めない姿勢に転じた後にエクアドル大使館で逮捕され、その後、保釈条件に違反した罪で有罪との判決を受けていた。

アサンジ被告は、性的暴行容疑に直面していたスウェーデンへの強制送還を逃れるため、そして米国への強制送還を恐れ、ロンドンにあるエクアドル大使館に2012年に保護を求めて駆け込んだ。その後ほぼ7年間、エクアドル側の堪忍袋の尾が切れるまで、自ら大使館の中に閉じこもって籠城していた。この間、スウェーデンの検察当局は外交亡命保護から同被告を引きずり出すことはできず、被告に対する捜査を打ち切った。

The Guardianの報道によると、法廷で弁護士が読み上げた書簡の中で、アサンジ被告は自らが置かれたぞっとするような状況に恐怖を感じていたと主張し、私が行ってきた行為のなかで私から無礼な振る舞いを受けたと考える人に率直に謝罪した。そしていま、逃亡したことを悔いているとも述べた。

英国の警察署に先月拘置されるやいなや、アサンジ被告はすぐに米国の要請に基づき再逮捕された。この再逮捕は、機密扱いのコンピューターをハッキングした疑いによるもので、米国は身柄の引き渡しを求めている。50週間の禁固刑言い渡しは、米国への送還に対してアサンジ被告が戦いを始めるまで英国にとどまることを意味する。

米国での容疑は10年ほど前のもので、前陸軍情報分析官で告発者のChelsea Manning(チェルシー・マニング)からWikiLeaksに提供された軍機密情報の漏洩に関するものだ。マニングがリークした文書はWikiLeaksによって公開され、ここにはアフガニスタンやイラクからの何十万もの戦場報告が含まれていた。これにより、米軍が公の報告より多くの市民を殺害していたことが明らかになった。

アサンジ被告は、機密情報の報道のためのジャーナリストの身分と言論の自由をうたう米国憲法修正第1項の主張を模索した。しかし米国の当局は、マニングの機密情報へのアクセスを可能にするパスワード入手をWikiLeaksの創設者がほう助した、と主張している。

 

もしアサンジ被告が米国に引き渡され、そうした容疑で有罪とされた場合、最長5年の服役となる。米国への送還をめぐる審理で、アサンジ被告は木曜日に再び出廷する。一方のマニングはWikiLeaksを調査する大陪審への証言を拒んだとして刑務所に入っている。マニングはもともと機密の軍文書を漏洩したとして35年の量刑判決を受けて服役していたが、前大統領バラク・オバマにより恩赦が与えられ、7年に減刑されていた。

イメージクレジット: Jack Taylor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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