血液検査で疑惑のTheranos、当局が免許取り消しとファウンダーElizabeth Holmesの2年間就業禁止を検討

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Theranosは近くホームレス化するかもしれない。連邦規制当局は ファウンダーのエリザベス・ホームズを血液検査業務への就業を2年間禁止し、カリフォルニアの同社の免許を取り消すことを検討している。

このニュースはWall Street Journalで最初に報じられたが、保健社会福祉省のメディケア・メディケイド・サービス・センターは、3月18付書簡で免許取り消しとホームズの就業禁止に加えてプレジデントのSunny Balwaniが医療関係企業を所有、運営することを少なくとも2年禁止するという制裁の意向を明らかにしていた。

業務が禁止される地域にはカリフォルニアとアリゾナの両州が含まれる。取り消される免許はカリフォルニアのニューアークとパロアルトの施設だ。Theranosが運営能力と情報公開における正確性の改善の要求に応えることに引き続き失敗するなら、これらの制裁が実施される運びになるといいう。

こうした制裁は現在90億ドルに評価されている同社にとって大きな経済的打撃となる。 Theranosは調達した資金が7億ドルほど銀行にあるはずだが、業務の運営にあたっては2つのラボからの売上が大きな役割を果たしていた。同時にファウンダーとプレジデントが追放さればTheranosは回復不可能な状況に陥る可能性がある。

書簡は一般に公表されたものではないが、そのコピーはWSJのこちらの記事に掲載されている。

これによるとCMSはTheranosに書簡の日付から10日間の猶予を与えている(この期限は数週間前に過ぎている)。

昨年6月1日から9月21日の期間で、Theranosは医療機器の操作にあたって資格をもち正規の訓練を受けた人材を当てることを怠り、無資格の社員に血液検査の結果を読み取らせ、検査結果の正確性を確保するため機器のメーカーが文書によって指示した正しい操作方法によるカリブレーションを行わなかった。

Theranosは2月にこれらの点を改善する計画を発表したが、3月18日の書簡でCMSは「これまでのTheranosの対応は不十分である」としている。

先週、TheranosはTechCrunchのインタビューに答えて「問題点を改善することをCMSに約束した」と述べていた。これにはニューアーク施設に正規の資格をもった新しい責任者を任命することも含まれていた。

Theranosは連邦当局による制裁を免れるために、同社が十分な対応を行ったことを証明しなければならない(制裁措置には、指示に従わなかった1日ごとに最高1万ドルに上る罰金も含まれる)。

Theranosの広報担当Brooke BuchananはTechCrunchに対し「CMSは現在制裁を実行していない。Theraosは3月18日の書簡に対して10日以内に適切に対応ずみだ。〔CMSの書簡はこうした場合に〕通常の手続きにすぎない。いずれにせよ、制裁が現に実行される場合を除いて、純粋に仮定の話題だ」と述べた。

画像: Mate Marschalko/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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