要望を聞いて習い事をオススメ、Cyta.jpがコンタクトセンター設置で2倍の売上

「ビルの取り壊しも決まっているんで定期借家権で30カ月。その頃には人員を拡大して『次』を目指すんです。ここは勝負オフィスですよ」‒‒移転したばかりの渋谷のオフィスでそう語ってくれたのは、習い事のプライベートコーチと習い事をしたいユーザーをマッチングするCtoCプラットフォーム「Cyta.jp」を手がけるコーチユナイテッド代表取締役の有安伸宏氏だ。

Cyta.jpは現在5000のレッスン会場をネットワーク化。200ジャンル3000人のプライベートコーチを抱えている。ユーザーは20代〜30代が中心で、人気なのは語学や楽器だが、現在もジャンルを拡大しているそうだ。

2013年10月(発表は9月)にクックバッドによる買収を受け入れたコーチユナイテッド。買収額は非公開だが10億円以上の規模になったと言われている。だがクックパッドに有安氏の席はあるものの、オフィスも代表も、さらには人事権も別という、言ってしまえば「これまで通り」な環境でCyta.jpの運営を続けているという。「体制として変わったのは、取締役に穐田さんと石渡さん(代表執行役の穐田誉輝氏と執行役の石渡進介氏)が入ったこと。役員は信頼できるし、とにかく自由にやらせてもらっている」(有安氏)

そんな有安氏だが、起業家としては大きく変化したと語る。一番大きな変化が「ユーザーファースト」という視点を持つようになったことだそうだ。「みんな言っていることだけれども、実はユーザーファーストという視点を持ち、実現するのはすごく大変だと気付いた。選択のたびに利益でも何でもトレードオフになるが、さまざまな判断をする際にユーザーの課題解決をどうすべきかを考えるようになった」(有安氏)

ユーザーファーストのための投資が「コンタクトセンター」

そんなユーザーファーストの施策のために、2014年に入ってから導入しているのが、電話オペレーターを常駐させるコンタクトセンターだ(有安氏は「コールセンターではなくコンタクトセンター」と強調していた)。「ユーザーファーストの視点に立って考えれば、CtoCであろうがBtoCであろうが関係ない。ユーザーは(必ずCyta.jpを利用したい、というのではなく)『習い事を習いたい人』だ」(有安氏)。

そこで、ユーザーがどういった条件やモチベーションで習い事をしたいのか、すべての新規ユーザーに対して電話で確認した上で、講座へ申し込むよう誘導しているのだという。「ウェブの会社は電話を嫌がるが、習い事のニーズは、『土日にちょっと趣味でも持ちたい』『昔やっていた楽器をもう一度学びたい』といった“ふわっとした”ニーズが多い。そこに必要なのはコンシェルジュだった。今まではメールなどで対応していたが、やはり一番早いのが電話だし、声を聞くからこそできることがある」(有安氏)

その効果は早速出ているとのことで、すでに導入前より売上が2倍になっているのだそうだ。土日も含めて午前9時から午後10時まで毎日、新規ユーザーの申し込みがあれば2分以内に電話するようにしているそうだ。「5分でも10分でもなくて2分これを『2 minutes call』と呼んで達成率も見ている。このタイミングであれば(前述のふわっと気持ちであっても)習う意思があるのでユーザーに介入していけるし、何よりも電話が繋がる(笑)」(有安氏)。

具体的な金額については明らかにしなかったが、「Cyta.jpはまだ年商数億円の規模。なのでこれ以外にも売上2倍の施策を数カ月ペースでやれると成長が違ってくる」とも語る。そしてこのコンタクトセンターの導入に合わせて、手狭になった恵比寿のオフィスから、これまでの3倍程度の広さの渋谷のオフィスに移転したそうだ。現在コンタクトセンターのスタッフはアルバイトを含めて30人程度。これを今夏までに50人体制まで拡大する。

クックパッドと組んで新規事業の予定も

コーチユナイテッドは、今後Cyta.jpと並行して、クックパッドと協力して新規事業を展開する予定があるという。その内容については明らかにされなかったが、有安氏自身が今興味を持っていることについて聞いたところ「生活ががらっとよくなること」だという答えが返ってきた。「マーケットプレイスを作るのは得意だと思うが、それは手段でしかない。不安不満を持っている人に解決する手段を提供していきたい」(有安氏)


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TechCrunch Japan

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