私たちが大好きなYouTubeのポンコツロボットたちから学んだことがあるとすれば、人間とロボットのインタラクションは難しいということだ。硬いロボットの腕が、柔らかい人間の体の周りで繊細な作業をする方法を開発するのは、口でいうほど簡単ではない。
今週、MITコンピュータ科学・人工知能研究所(Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory、CSAIL)のチームは、ロボットアームを使って人の着替えを手伝う研究を紹介している。このような技術の将来性は明らかで、私たちの多くが当たり前のように思っているタスクを、モビリティの問題を抱える人々ができるように支援することだ。
その中でも特に大きなハードルとなっているのが、人の形を効率的にナビゲートし、相手を傷つけることのないアルゴリズムの開発だ。あらかじめプログラムされたモードでは、形状や人間の反応など、さまざまな変数に遭遇する。一方、変数に過剰に反応してしまうと、最適なルートがわからなくなりロボットが固まってしまうことがある。
そこでチームは、さまざまなシナリオに適応し、学習していくシステムの開発に着手した。
MITはブログ記事でこう書いている。「人間の安全性を理論的に保証するために、チームのアルゴリズムは人間のモデルの不確実性を推論しました。人間が他の人間を理解する方法をより忠実に再現するために、ロボットが1つの潜在的な反応しか理解できないような単一のデフォルトモデルではなく、多くの可能性があるモデルを機械に理解させました。ロボットはデータを収集することで、不確実性を減らし、モデルを改良していきます」。
チームは、この種のタスクに対する人間の反応についても研究する予定だという。
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カテゴリー:ロボティクス
タグ:マサチューセッツ工科大学
画像クレジット:MIT CSAIL
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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)