買取価格比較サイト「ヒカカク!」やスマートフォンの修理価格比較サイト「最安修理ドットコム」を展開するジラフは3月15日、アドウェイズ、アナグラムおよび個人投資家(フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長の佐藤裕介氏ほか2人)に加え、新たに執行役員として参画する佐々木俊介氏などから合計1.3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回調達した資金はプロダクトの開発強化および、広告に充てるとしている。
月間利用者数が100万人を突破、事業は黒字化を達成
ヒカカク!のサービス開始は2014年9月。リリース以降、順調にユーザー数を伸ばし続け、現在は月間ユニークユーザー数は100万人を突破。会社も黒字化を達成しているという。ここまでの歩みを振り返り、ジラフ代表取締役社長の麻生輝明氏は「SEOで流入数を増やしつつ、サイト内のコンテンツを充実させていき、トランザクションしてもらえるような仕組みを作っているのが大きい」と言う。
例えば、自動車買取領域では中古車買取・査定サイト「Goo買取」を運営するプロトコーポレーションと業務提携を結んだり、バイク買取領域では一括査定サイト「バイク比較.com」を運営するインターファームと業務提携を結んだり、取り扱う商材は広げていってるそうだ。
「ヒカカク!はもともと、買取価格を比較し自分でどこの買取業者に売るのかを選んで、見積もりを出す形式を想定していたのですが、運営していく中で自分で買取業者を選ぶのはハードルが高いな、と感じました。買取価格の比較以外にもユーザーニーズに適した機能やサービスは提供していきたいと思っています」(麻生氏)
今後は一括で最大5社の見積もりが出せる「一括見積もり機能」や、ユーザーが売りたいものを記述するとその商品を売る時に最適な買取業者や宅配買取サービスを過去のレビューや過去の実績に基づいてリコメンドし、レポーティング・申込代行を行ってくれる「おまかせ買取機能」などの提供を予定しているという。
それ以外にも、ヒカカク!はGMOイプシロンと業務提携し、買取業者向けに振込手数料や配送料の削減サービスの提供も行っていく予定だ。麻生氏は「取業者が仕入れて売る、というバリューチェーンの中で関われる部分には関わっていきたい」と語り、買取業者の負担を減らしていくことでヒカカク!内に良質な買取業者を獲得していきつつ、ユーザーの選択肢も増やす。これにより、プラットフォームの価値を高めていくことを狙っているそうだ。
「将来的には提携先を開拓していき、買取代金が振り込まれるのではなくポイント制にして次の消費に利用してもらえるようにしたり、決済の領域に入っていったり、経済圏になることを目指していきたいです」(麻生氏)
ちなみに、以前指摘されていた商標権の問題は解決し、口コミの削除依頼には適宜対応しているという。
佐々木氏の知見を活かし、組織力を強めていく
以前、TechCrunch Japanが取材した際、資金調達に併せて柴田雅人氏がCOOとして参画していたが、今回は佐々木俊介氏が執行役員として参画している。念のため、佐々木氏について紹介しておくが同氏はポケラボ創業メンバーの1人。最近ではトレーディングカードのフリマアプリ「magi(マギ)」の開発を手がけていた。
麻生氏によると、ビジネスマッチングアプリのyentaで知り合い、話をしていくうちに意気投合し、共に会社を経営していくことになったと言うが、なぜ佐々木氏はジラフにジョインすることにしたのだろうか?
「個人的に中古(リユース)市場に注目していて、中でもCtoCのサービスを手がけていたのですが、寡占化が進んでいて勝者がある程度決まっている。一方で、CtoBの領域は明確な勝者が決まっておらず、今後の伸び代もある。実際に麻生さんと話をする中で、ヒカカク!」というサービスが面白いなと思いましたし、会社の雰囲気も若くてエネルギッシュ。ポケラボを創業したときのような経験をまた味わえればいいな、と思いジョインすることにしました」(佐々木氏)
今後、佐々木氏のポケラボを数百人規模へと組織を成長させ、エグジットした経験をもとに、ジラフは開発力強化および経営基盤の強化の実現を目指していく。