食材のオーナー制度プラットフォーム「OWNERS(オーナーズ)」を提供するukkaは9月13日、ユーザーの多様なニーズに柔軟に対応できるよう、サービスをリニューアルしたことを発表。サービス名も企業名と同じ「ukka」に変更している。
今回のリニューアルにより、これまでも利用可能だった「オーナー制度」の枠組みを超えた商品の購入方法と機能が追加された。4つの購入方法は以下のとおりだ。
- 欲しい商品をいつでも購入できる「都度購入」
- 収穫や生産前から事前に予約注文を行う「予約注文」
- 気に入った食材が定期的に届く「定期購入(サブスクリプション)」
- 生産者の年間会員として、収穫など特別な体験ができる「Farm Membership(オーナー制度)」
ukka代表取締役の小林俊仁氏は「これまでOWNERSは、『予約注文』や『オーナー制度』を軸として発展してきた」と話す。これらの販売方法は、生産者にとって「事前に必要量を確定させることができる(ニーズ分だけ作付するなど、事前登録型じゃないと流通させることが難しいものを流通させられる)」、「農繁期ではなく、農閑期に販売作業を行える」、「収穫よりも入金が先になり、キャッシュフローが改善する」といったメリットがある。
一方、「明らかに存在していた継続購入へのニーズに対応できていないこと(OWNERSは食材自体に対する満足度は非常に高い傾向)」、「届いた食材がSNSなどでシェアされた際、それを見た人が購入できないこと(予約注文はお届け時期には受付終了済み)」など、予約であるからこその構造的な問題があった。
「この状況を受け、元々の良い面は残しつつ、都度発送による『今食べたい』ニーズへの対応と、定期便による『気に入ったのでずっとこの生産者から送ってほしい』ニーズに対応するため、今回の購入形態の多様化に至った」(小林氏)。
小林氏は「今回のリニューアルにより、間口を広げると共にハマった際の奥深さも増し、多くのニーズに対応できるようになるため、成長速度は上がると考えています」と意気込む。これまで5000名を超える消費者、および100以上の生産者がOWNERSを利用してきたが、同社は、2020年内にユーザー数を2.5万人(定期課金ユーザー含む)に、生産者数を300生産者(生産組合などの団体含む)へと拡大させていく予定だ。
ukkaは2017年9月に設立されたスタートアップ。「ukkaは『100年後に続く食と農のあるべき形を創る』をミッションとしている。日本には、大規模・多段階流通は非常に発展しており、どこでも新鮮なものが手に入るが、これはフードロスの問題、middlemanが多く生産者取り分が少ない問題、誰が食べているのか分からない問題などと表裏一体の関係にある。ukkaが実現したいのは、これらとは反対側、『高付加価値型』の一次産業に最適な流通を作ることだ。安く便利に食べたいというニーズと、豊かに美味しいものを食べたいというニーズ、2つの引力により、食・農は二極化していく。コンテンツとテクノロジーの力を活かしながら、後者に必要とされるプラットフォームになっていきたいと思う」(小林氏)