長崎に世界からスタートアップを呼び込むためジャパネットとペガサスが約54億円の投資ファンドを設立

企業のスタートアップ投資ファンドの立ち上げを支援するPegasus Tech Ventures(ペガサステックベンチャーズ)は米国時間3月9日、日本最大級のテレビショッピング企業であるジャパネットとの新たな提携を発表した。両者は5000万ドル(約54億円)のベンチャー投資ファンドを設立し、長崎の大規模な地域新開発を含め、世界のスタートアップに投資する。

ジャパネットは、新たな分野への進出を支援するスタートアップを募集している。2024年にオープンする長崎のスタジアムシティという建設プロジェクトもその1つだ。これはスポーツスタジアムを中心にオフィス、商業施設、ホテル、イベント会場など、周辺の複合施設が含まれる。ジャパネットはまた、高齢者向けの新しいサービスや子どもたちへの教育支援にも力を入れていく計画だ。

ペガサステックベンチャーズのジェネラルパートナー兼最高経営責任者であるAnis Uzzaman(アニス・ウッザマン)氏がTechCrunchに語ったところによると、スタジアムシティは長崎経済の活性化を支援し、世界中からテックを含む新しい製品やサービスを同市に呼び込むことが目的だという。ジャパネットの計画は「初期段階のスタートアップと時間をかけてソリューションを共同開発することと、後期段階のスタートアップがスタジアムシティでローカライズして展開するのを支援することの両方を計画しています」と、ウッザマン氏は語った。

ペガサステックベンチャーズのチームは、ジャパネットが北米、イスラエル、ヨーロッパ、アジアを含む世界中のスタートアップをスカウトするのを支援する。同社は現在、15億ドル(約1630億円)の資産を運用している。同社が「Venture Capital-as-a-Service(ベンチャーキャピタル・アズ・ア・サービス)」プログラムを通じて協力してきた企業には、台湾のAsus(エイスース)や、日本ではジャパネットの他に、セガサミーホールディングス、サニーヘルス、インフォコム、アイシン精機などがある。同社の投資先には、SpaceX(スペースエックス)、23andMe、SoFi(ソーファイ)、Bird(バード)、Color(カラー)、App Annie(アップアニー)などのスタートアップが含まれる。

ジャパネットの投資ファンドによるアーリーステージのスタートアップに対する典型的な投資額は、10万ドル(約1090万円)から100万ドル(約1億900万円)の範囲となる。後期のスタートアップは、100万ドルから500万ドル(約5億4500万円)の間で投資を受ける。同ファンドの支援を受けたスタートアップ企業は、ジャパネットの他、三菱地所設計、JLLモールマネジメント、MSCクルーズジャパンなどの企業パートナーと綿密に連携することになる。

画像クレジット:ImpossiAble / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

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