電動トラックスタートアップNikola(ニコラ)の創業者で前CEO兼会長である、早口の演出巧みなTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が3件の詐欺容疑で起訴された。
マンハッタンの米連邦地検が米国時間7月29日に開示した起訴状によると、ミルトン容疑者は個人的な利益のために「個人投資家を欺くために詐欺計画に携わった」とのことだ。ミルトン容疑者は2件の証券詐欺、1件の通信詐欺で大陪審に起訴された。
地検は訴状の中で、ミルトン容疑者が、車両を生産する前から「Nikolaについて誤ったミスリードする情報をマーケットに広めた」PRにおいて、どのようにソーシャルメディアを活用し、また頻繁にテレビに登場したかについて詳しく述べた。
起訴内容はNikolaと、同社を2015年に創業したミルトン容疑者の大急ぎの滅裂な事業を反映している。ミルトン容疑者は最初のプロトタイプを発表してかなりの注目を集め、Nikolaが「トラック運送のiPhone」を生産すると豪語した。その後、Badgerという電動ピックアップトラックを含む他のプロダクトに関する約束、アリゾナ州に工場を建設するという計画が続いた。
2020年3月に同社は特別買収目的会社VectoIQ Acquisition Corpとの合併を通じて上場すると発表した。同年夏に上場後、ミルトン容疑者は頻繁にTwitterに投稿し、個人投資家にメッセージを送っていた。そして同年9月、GMが同社への20億ドル(約2190億円)の投資を発表してから数日後に、空売りで有名なHindenburg ResearchがNikolaを詐欺だと糾弾した。米証券取引委員会が調査を開始し、2週間してミルトン容疑者は会長職を辞任した。
Nikolaは7月29日、いまだに大株主であるミルトン容疑者と距離をとっているとの声明を出した。
トレバー・ミルトン氏は2020年9月20日にNikolaを辞め、以来、Nikolaの運営に関与しておらず、連絡も取っておりません。本日の当局の動きはミルトン氏個人に対するものであり、Nikolaに対するものではありません。Nikolaは調査を通じて当局に協力してきました。以前発表した目標とタイムラインに全力を注いでおり、2021年後半に製造施設からNikola Treバッテリー式電動トラックを出荷することにフォーカスしています。
関連記事
・電気自動車メーカーNikolaに対する空売りのクレームを米証券取引委員会が調査中
・詐欺疑惑渦中の電気自動車メーカーNikola会長が辞任、株価は暴落
・マイクロソフトが紛らわしく悪質な「ホモグリフ」ドメインを掃討する裁判所命令を勝ち取る
カテゴリー:モビリティ
タグ:Nikola、電気自動車、トラック、裁判、詐欺
画像クレジット:Nikola
[原文へ]
(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi)