本日(現地時間7月15日)、ISI TechnologyがWave EquityがリードするシリーズAで500万ドルを調達したことを発表した。ISIはHeatworksという電気式の給湯装置を製造する企業だ。
アメリカの一般家庭では毎朝このような光景が見られる。蛇口をひねって水をだし、Eメールのチェックをする。そして歯を磨くか、もしくはお湯が出てくるまで洗面台の前をふらふらして数分過ごす。その間に無駄にしてしまう水の量は約22~44リットルかそれ以上にもなる。アメリカ中の家庭全体で無駄にされている水の量を考えれば、それは膨大な量だ。
お湯が出てくるまでに時間差がでてしまうのは、水を温めるための現状の方法に問題があるからだ。それは冷水がコンテナの中に注がれた後、その中にある発熱体が水を加熱するという方式だ。この方法では水が温まるまでに時間がかかってしまうだけでなく、正確な温度調節ができないという欠点がある。さらに、水を温める発熱体が度重なる加熱によって故障してしまうこともしばしばだ。
2014年、ISI Technologyはニューヨークで開催されたDisruptでHeatworks Model1を発表した。Model1は現存する給湯装置とは違い、水の電気抵抗を利用して水を温める。そのため、コンテナ本体の温度を上げることなしに水を温めることが可能になり、シャワーや蛇口から瞬時にお湯を出すことができるのだ。
2014年以降、Model1を商品化したISIは、Kickstarterや同社のウェブサイト、そして彼らにとって最大のリテール・パートナーであるLowe’sを通して数千ユニットを販売した。ISI Technology創業者は、Blue Rhinoの創業者でもあるJerry Callahanだ。彼によれば、同社の製品を買い求める人のほとんどは、家を改修する個人や、省スペースでより効率的な家族向けの住宅の開発を目指す建築業者だという。
今年4月、米国エネルギー省はNational Appliance Energy Conservation Act(NAECA)の一部であるNAECA3を承認した。これは家庭の消費電力について新しい省エネ基準を定義したもので、その基準は厳しく、おもなターゲットは給湯装置だ。その結果、給湯装置の容量がこれまでの80ガロン(約363リットル)から50ガロン(約227リットル)に制限されることとなった。
ISIはそれに対応し、Model1xと呼ばれる新製品を開発した。Model1xは現在のスタンダードとなった50リットルのタンクに接続するようにデザインされており、気温には左右されるものの、これまでの1.5倍から2倍のお湯を給湯できるようになった。
Model1とModel1xともに、Google傘下のNest Labsが提供するスマートホーム・プラットホームの”Works With Nest”に接続できるようになっている。ISIは今後、流通網の拡大を目指すと同時に、より軽量で安価な給湯装置を製品ラインナップに加えることを目指している。それに加えて、Heatworksを洗濯機や食器洗浄機などの他の家電にも導入するための新しいパートナーシップとライセンスの機会を模索中だ。
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