電気自動車開発のFiskerが2022年のSUV生産開始へ向け約54億円調達

電気自動車のスタートアップFisker Inc.(フィスカー・インク)は米国7月8日、5000万ドル(約54億円)を調達したことを明らかにした。同社のラグジュアリーな全電動SUVのエンジニアリング作業を次の段階に進めるのに必要な資金だ。

同社は2022年のFisker Ocean SUV発売を目指している。

今回のシリーズCラウンドは、億万長者のヘッジファンドマネジャー、Louis M. Bacon(ルイス・M・ベーコン)氏のプライベート・インベストメント・ビヒークルMoore Strategic Ventures  LLCがリードした。

「今年初めのCESで初めて車を披露して以来、顧客や投資家からの反応はかなり好意的なものだった」とFisker Inc.の会長でCEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は声明で述べた。「我々は車の開発や販売に関し、型にはまった業界の考え方に徹底的に挑戦している。今回の資金で2022年までに車両生産を開始するというタイムラインを実行できる」

同社はまた、プロジェクトの推進をサポートする役員も強化している。フィスカー氏は、CTOとしてBurkhard Huhnke(バークハード・ハンケ)氏を迎え入れたと述べた。ハンケ氏はVolkswagen America (フォルクスワーゲン・アメリカ)eモビリティの前副社長で、チップメーカーSynopses(シノプシズ)で自動車担当副社長を務めた。

CTOとしてハンケ氏はロサンゼルスでのR&D作業と、シリコンバレーに新設したフィスカー・イノベーション・ラボの両方に時間を割く。

車会社を設立することは簡単ではない。フィスカー氏に聞くといい。Aston Martin(アストン・マーティン)のV8 VantageやDB9、BMW Z8などを手掛けた著名な車デザイナーであるフィスカー氏は、ラグジュアリーなプラグインハイブリッド電気自動車を生産するためにFisker Automotive(フィスカー・オートモーティブ)というスタートアップを立ち上げた。フラッグシップのFisker Karmaは2008年北米インターナショナル・オートショーでデビューし、2011年に初納車した。しかし同社は数多くの困難に遭い、2012年11月に生産を一時停止し、その1年後に破産することになった。

中国のWanxiang Group(万向集団)が2014年にFisker Automotiveを買収し、Karma Automotive(カルマ・オートモーティブ)という新会社を立ち上げた。ちなみに、財政的に厳しかったKarmaも7月8日に1億ドル(約107億円)を調達したことを発表した。

今回、フィスカー氏はSUVにフォーカスしている。今年1月のCESで正式発表したFisker Oceanの価格は連邦所得税クレジットまたは州のインセンティブ適用前で3万7499ドル(約400万円)〜となっている。

画像クレジット: Fisker Inc.

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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