ストリーミングが世界の音楽録音物の売上ナンバーワンになろうとしている。このシフトは今年中に確実に実現しそうだ。最新の業界レポートによると、世界の音楽録音物の2018年の売上は、2017年の174億ドルから9.7%増えて191億ドルとなった。特に、ストリーミング売上は、昨年有料のストリーミング部門が32.9%増えたおかげで世界の売上のほぼ半分(47%)を占めるまでになっている。これにより、2018年のストリーミング売上は890万ドルとなり、2019年はさらに増える勢いだ。
世界の音楽マーケットの連続成長は今年で4年目となる。こうした調査を実施している音楽業界の団体IFPIが1997年にマーケット調査を始めて以来、最も高い成長率となっている。
有料のストリーミングはストリーミングの売上の大部分を占め、マーケットシェア37%であるのに対し、広告入りのストリーミングはシェア10%だ。
レポートによると、2018年末時点の有料ストリーミングのユーザーは2億5500万人だった。
一方、物理的ディスクの売上のシェアは24.7%で、10.1%減だった。この部門では、レコードがまだ成長していて、13年連続の成長となり、マーケットシェア3.6%に達した。しかし、物理的フォーマットの全体的な売上が減少傾向にあることに変化はなかった。
ディスク離れが続く一方で、消費者はデジタルに向かっている。
デジタル部門の売上は2018年に21.1%伸びて112億ドルに達した。レポートによると、100億ドル超えは今回が初めてだ。この部門では、ストリーミングが34%伸びて89億ドルとなった(70億ドルが購読ストリーミングだ)。その一方で、ダウンロードは21.2%減少し、マーケット全体の7.7%となった。
レポートでは、38のマーケットで売上の半分超をデジタルが占めている、としている。
興行権での売上とそれに付随する売上(テレビや映画、ゲーム、広告での音楽の使用)は14%で、全体の音楽マーケットにおけるシェアは2.3%だった。
特に北米では、ストリーミングが大きく成長した(33.4%)おかげで物理部門の売上の減少(マイナス22%)を相殺し、売上が14%増とまたもや2桁成長となった。
アジアと豪州の売上は11.7%成長し、欧州を抑えて世界で2番目の売上規模となった。そしてラテンアメリカは伸び率16.8%で、世界で最も成長している地域だ。
売上高の大きなマーケットは、米国、日本、英国、ドイツ、フランス、韓国、中国、豪州、カナダ、ブラジルの順となっている。
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(翻訳:Mizoguchi)