Solar ImpulseのHB-SIAが、この週末(米国時間7/6)土曜日の夜、ニューヨークのJohn F. Kennedy空港に着陸して、歴史を作った。同機は、合衆国横断飛行の全航程を、完全に、地球の裏庭にあるあのでっかい年寄りの星からのエネルギーだけで航行したのだ。
Solar Impulseはスイスの団体で、創立者はスイスの科学者でパイロットBertrand PiccardとAndré Borschbergだ。同団体は今回の成果の意義を、このように述べている:
“昼夜を通して飛行可能な航空機が初めて、一滴の燃料も使わず、太陽エネルギーだけを動力として合衆国を西海岸から東海岸まで横断した。”
合衆国横断の成功は太陽エネルギーによる飛行にとって大きな進歩だ。3年前にSolar Impulseの機は26時間の連続飛行に成功したが、当時はそれすらも、不可能と思われていた。しかし、太陽光が今日のジェット燃料に追いつくまでには、まだまだ課題も多い。Solar ImpulseのHB-SIAは重量3500ポンドあまりで、達成した高度はすばらしいが、その速度は、人が今の航空機に期待するものに比べて相当に遅い。Los Angeles Timesはその点を、このように説明している:
“同機は11000基の太陽電池を動力源として30000フィートの高度まで上昇し、最大時速45マイルで航行した。11000基の太陽電池の多くはきわめて長い主翼に搭載され、翼の長さはジャンボジェットのそれに相当する。重量は小型自動車程度、そしてその動力の出力は小型スクーターのエンジン程度である。
Solar Impulseの機は5月初めにサンフランシスコを発(た)ち、途中、フェニックス、ダラス-フォートワース、セントルイス、シンシナチ、そしてワシントン-ダレス国際空港に立ち寄った。”
今後の課題と計画は、この技術の改良、すなわち高速化や強靭化だ。近く、さらに長い飛行を予定しており、今の努力はそれに向けられている。同団体が表明している“最終目標”は、地球一周だ。そのWebサイトによると、その世界一周の旅は2015年を予定している。そのとき使用するHB-SIBは、現在製作中である。
画像クレジット: Solar Impulse HB-SIAのJFK空港への最終アプローチ、ワシントンDCからニューヨーク市までの最後の航程。写真: Revillard Rezo.ch、SolarImpulse.comより。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))