飼料と肥料に革命を起こすハエ技術のムスカ、丸紅に続き伊藤忠と提携し10億円超調達へ

ムスカが有する超抜イエバエは羽化する前に収穫・飼料化されるが、ムスカは遂に飛翔することになる。同社は、TechCrunch Tokyo 2018の「スタートアップバトル」で応募100社超の頂点、最優秀賞に輝いた2016年12月設立のスタートアップ。

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伊藤忠商事は4月23日、ムスカに出資し、戦略的パートナーシップを締結することを発表した。大手商社との提携は、3月1日に発表された丸紅との戦略的パートナーシップ締結に続く快挙だ。

伊藤忠商事の出資額は明らかになっていないが、建設費用10億円と言われるムスカのバイオマスリサイクル設備の第1号プラントへ参画することも併せて発表されたため、十数億規模と見られる。これにより同社はムスカの新株予約権を取得することになる。

ムスカのイエバエを活用したバイオマスリサイクルシステム

現在、世界の深刻な食糧危機により飼料としての魚粉が供給限界に達すると言われているほか、人口増加によって有機肥料市場が今後高騰することも確実。伊藤忠商事はこういった現状を打破するためにムスカとの提携を決めた。

ムスカは45世代1100交配を重ねたイエバエの繁殖技術を擁する

ムスカが擁する45年1100回以上の交配を重ねた超抜イエバエは、通常は2〜3週間かかる生ゴミや糞尿の肥料化を約1週間で処理できるのが特徴。しかも、イエバエの幼虫が出す消化酵素により分解されるため、温室効果ガスの発生量も抑えられるという。

伊藤忠商事の食料カンパニーは、食糧原料から製造加工、中間流通、小売りまで幅広いネットワークを有する

前述のように伊藤忠商事はムスカの1号プラントへ参画するが、そのほか国内外における伊藤忠グループのネットワークを駆使して、既存事業やビジネスとの相乗効果を創出し、将来の食糧危機解消の一翼を担う狙いだ。伊藤忠商事や丸紅のネットワークを活用できることで、日本国内はもちろんムスカの海外への展開も現実のものとなってきた。

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TechCrunch Japan

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