プロであろうとアマであろうと少しでも本格的に写真を撮っているなら手持ちの機材の総額はたちまち巨額になる。盗難保険をかけておくことが大切だが、盗まれた機材の取り戻しを助けるサービス、Lenstagに登録しておくのもよい考えだ。
このサイトにはすでに全世界80カ国にユーザーがおり、利用は無料だ。サービスを利用したい写真家はサイトを訪問して簡単なユーザー登録をすませてから、個々の機材を登録していく。メーカーとモデル名を入力すると正確な情報を入力するフォームが表示される。自分が所有者であることを証明する製造番号の写真も必要とされる。人間の担当者が最後に認証して始めて登録が完了する。この点、Lenstagは単なるユーザー登録データベースとは一味ちがう。
Lenstagに登録してあれば、eBayに出品する場合でも、その情報を利用して自分が正当な持ち主であることを証明できる。またLenstagメンバー同士なら売買も安心だ。万一盗難にあった場合、Lenstagに報告しておけば、警察、保険会社はじめ関係機関からCraigslistでショッピングをしている個人まで、その情報を参照できる。また誰かが盗まれたのと同じ製造番号の機材を検索すると自動的に「その機材は盗難にあっています」という検索結果が表示され、事情を報告するよう求められる。.
Lenstagは今回、「一時的登録」という便利な機能を追加した。これは機材をオンラインで売りに出したときに用いるもので、売れた後は削除される。全体として非常に優れたサービスだ。ごくわずかな手間で大きな安心が得られる。
Lenstagのファウンダー、Trevor Sehrerの本業はGoogleのモバイル部門のエンジニアだ。私の取材に対してSehrerは「Lenstagは近く警察と公式に提携する。またユーザーインタフェースの拡充に努める」と語った。実際、フィンランドの警察は、特に働きかけをしたわけではないのに、Lenstagへの登録を薦めているという。おそらく最初yの公式提携先になるのだろう。ただしビジネスモデルについて質問するとSehrerは答えを渋った。
「私はビジネスよりもカメラやレンズの盗難の解決に興味がある。このサイトは別に大した金も時間もかかっていない。ユーザーがサイトにアクセスするのは機材を登録するときと盗難を報告するときだけだから、必要ならスケールを拡大するのは簡単だ」とSehrerは説明した。
ただしSehrerは盗難保険を販売している保険会社との提携は考えている。Lenstagに登録している場合、保険料を20%割り引くというユーザー向け特典を提案するつもりだという。ただしこの場合でもLenstag自体は必ずしも収入を得ることは考えていない。
フォトグラファーとして私自身、このサービスは大歡迎だ。中古機材の売買の際にLenstagで所有者を認証することが当たり前になったら安心だし、盗難防止にもずいぶん役立つだろう。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)