10秒献立アプリ「タベリー」に食材を数タップで買えるオンライン注文機能が追加、2.5億円の調達も発表

10Xのメンバー。1番左が代表取締役の矢本真丈氏

10秒で献立が作成できるサービス「タベリー」を展開する10Xは5月14日、iOS版アプリの新機能として、献立に必要な買い物リストの食材を数タップで注文できる「オンライン注文機能」の提供を開始したことを発表した。

2017年12月のiOS版リリース時にも紹介した通り、タベリーは個人の嗜好や条件にあった献立と、その献立に必要となる材料の買い物リストを簡単に作成できるサービス。今回のアップデートにより、アプリ内で作成した1週間分の献立に必要な買い物リストの食材を、そのままオンライン注文することが可能になった。

大枠の利用フローおよび特徴は以下の通りだ。

  1. 日付を選択すると、人数、食材の使い回し、好きなレシピなど複数の条件が個人に最適化された献立と買い物リストを作成
  2. 買い物リストより注文ボタンを押して配送先住所を選択すると、自身の住所から利用できるネットスーパーの店舗一覧が表示。店舗ごとに必要な食材のトータル価格、最短受取日を比較し、利用店舗を選ぶ
  3. 受取日を選択後、必要な商品が全てカートに追加。商品については数量の変更や交換、他の商品を検索して追加することが可能
  4. 確定後は各ネットスーパーに紐付いた決済方法にて決済をすれば完了。注文履歴はマイページから確認できる

この機能の追加によって「今日の献立やスーパーで買うものを悩む」という部分を大幅に削減し、日常的な家事の負担を少しでも軽減できるようにサポートすることが狙い。対応するネットスーパーについては随時拡大する計画で、今後は各生協などへの対応も予定しているという。

10Xではプロダクトのアップデートと合わせて、昨年11月にDCM Venturesおよび個人投資家より2.5億円の資金調達を実施したことも発表。調達した資金はプロダクトの成長と人材の採用へ投じていく方針だ。

最後に同社の発表から、代表取締役の矢本真丈氏のコメントを一部抜粋して紹介する。

「タベリーは『考える家事こそが大変』という、私が育児休暇取得中に気付いた課題をきっかけに生まれたプロダクトです。今回の大幅なアップデートにより、やっと当初描いていた価値提供のスタートラインに立ちました。『献立を考える』『買うものを決める』といった日々のシーンに対して、プロダクトを圧倒的な品質に磨き込みつつ、自分のような市井の人々へしっかり届け、サポートしていくチャレンジをしていきたいと考えております。

少し視点を拡げると、ハイテク産業の中心である米国、中国、そしてEC化率が世界で最も高い英国においても、『生鮮食品のEC化率』は未だ数%前半に留まり、世界的にも答えが見いだせていないアジェンダです。その背景には『いつ、何を、どれだけ作り、材料をどう揃えるのか』というユーザーの意思決定に関わるイシューや、『需要予測の難しさ、在庫管理の難しさ、配送アセットの重さ』という事業構造のイシューが複雑に入り組んでいるためと考えています。

今回のタベリーのアップデートにより、それらのイシューのいくつかを『10x』できるのでは、と考えております。他方で、我々が思い描く『あるべき食の流通や小売の未来』に向けてはまだまだ入り口に過ぎず、引き続き『異質なプロダクト』を提供するために精進してまいります」(矢本氏)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。