2歳となったRaspberry Piの販売台数は250万台超。さらなるオープン化にむけた1万ドルコンテストを開催

Raspberry Piが誕生日を迎えた。Linux搭載のローコストマイクロコンピュータは2歳となったわけだ。2歳ではあるが、とても大きく育った。

イギリスのケンブリッジ発であるクレジットカードサイズのコンピュータの価格は$25ないし$35だ。販売を開始するまでは、数千台も売れれば良いほうだと考えていたそうだ。しかし予想は良い方向に大幅にずれ、発売初日にModel B Piが10万台も売れることとなった。全モデルの累計では昨年10月までに175万台を売り上げ、そしてそこからさらに売り上げを伸ばして、現在は250万台にまで伸びている。

Raspberry Piは、当初から、そして今でもクリエイティブなプロダクトで用いられている。たとえばPi Foundationの当初のミッションである子供にコンピュータやコーディングを教えるための教材としても、多く世に出ている。またメーカーやスタートアップもRaspberry Piを活用したデバイスなどを多く生み出している。こうした動きは、業界に携わるものとして、みていてとてもエキサイティングなものだ。

Piが成長していくなか、非営利団体のPi Foundationは10万ドルの賞金をかけたコンテストを企画している。これはオープンソースのグラフィックドライバーをPi上に移植することを目的とするものだ。

現在のところ、Piとハードウェアの通信には、オープンソースではないバイナリのドライバー(blob)が必要となる。しかしチップメーカーのBroadcomが同等のチップで利用できるドライバーのソースコードを公開したことをうけ、これをPiに移植したいと考えているわけだ。移植が完了すれば、グラフィック面でもblobの利用をバイパスし、さまざまな機能を利用できるようになる。

コンテストの詳細は以下(英文)に記載されている(いつまで行われるのかについての記載はない。移植が完了するまで、ということなのだろう)。コンテストのルールについてはこちらに記載されている。

In common with every other ARM-based SoC, using the VideoCore IV 3d graphics core on the Pi requires a block of closed-source binary driver code (a “blob”) which talks to the hardware. In our case, this blob runs on the VPU vector processor of the BCM2835 (the SOC or System On a Chip at the heart of the Raspberry Pi); our existing open-source graphics drivers are a thin shim running on the ARM11, which talks to that blob via a communication driver in the Linux kernel. The lack of true open-source graphics drivers and documentation is widely acknowledged to be a significant problem for Linux on ARM, as it prevents users from fixing driver bugs, adding features and generally understanding what their hardware is doing.

Earlier today, Broadcom announced the release of full documentation for the VideoCore IV graphics core, and a complete source release of the graphics stack under a 3-clause BSD license. The source release targets the BCM21553 cellphone chip, but it should be reasonably straightforward to port this to the BCM2835, allowing access to the graphics core without using the blob. As an incentive to do this work, we will pay a bounty of $10,000 to the first person to demonstrate to us satisfactorily that they can successfully run Quake III at a playable framerate on Raspberry Pi using these drivers. This competition is open worldwide, and you can find competition rules here which describe what you have to do, and how to enter.

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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