2018年が女性にとっての転換点になるかもしれないことを示唆する、50人の創業者とVCたち(その1)

この数年間というもの、私たちは年末になると女性の創業者ならびに投資家たちのプロフィールをまとめてきた。彼らが巨額の資金を調達し、そうでなくても注目すべきマイルストーンを達成したからだ。

だが今年は12月を待つことはしない。私たちが目撃している進展にとても興奮しているからだ。女性の率いるスタートアップたちが、シード資金を得たり、シリーズAやそれ以降の調達を毎週のように行っている。一方トップベンチャーファームたちは、女性をもっとも重要なランクに登用しようとしている。女性のVCたちは手を携えて女性起業家に資金提供を行い、また独自のファンドを立ち上げる女性たちもいる。

このリストが包括的なものとはほど遠いと思う読者もいるだろう、その意見には素直に同意する。しかし私たちは、最後の1人まで余さずに取り込もうと時間を果てしなく使うよりは、注目に値する幾人かの女性たちの成果を祝う方が望ましいと考える。

この記事では、今年これまでに活躍してきた25人の創業者と投資家たちを取り上げる。続編のリストも近日中に登場するのでお楽しみに。

Brynn Putnam:Mirrorの創業者兼CEO

Harvardを卒業したBrynn Putnamは、かつてプロのバレエダンサーだったが、この先連続起業家としてより有名になるかもしれない。2008年にモントリオールのバレエ団で最後のパフォーマンスをしてから2年後、PutnamはニューヨークにブティックフィットネススタジオであるRefine Methodを立ち上げた。これは高度なインターバルワークアウトを目指したものだ。それは後にニューヨークで3つのスタジオとして広がり、ケリー・リパやイヴァナ・トランプといった有名人たちを引きつけた。

現在、Putnamはその資金を用いてMirrorという名の新たなビジネスを立ち上げようとしている、ジム利用者にさらに熱心に運動に励んでもらうことが目的だ。自宅に置かれた鏡のように見えるデバイスを使うものだが、それを通してユーザーはピラティスのようなフィットネスクラスの、インストラクターやクラスメートたちを見ることができる。Mirrorはまだ購入することはできないが、投資は既に行われていて、今年の始めの時点で同社は、あらゆる場所のフィットネス愛好家に対してその製品を届けることができるように、1300万ドルの資金調達を行った。

Ritu Narayan:Zūmの共同創業者兼CEO

Ritu Narayanは、YahooやeBayといった筋金入りのテック起業でプロダクトマネジメントを指揮したが、最終的にその最大の挑戦となったのは、彼女が働いている間に子どもたちを必要な場所に確実に送り届けるにはどうすれば良いかという問題だった。彼女は困っているのは自分だけではないことを知っていた。米国には18歳未満の子供がおよそ7300万人いて、その多くが毎日忙しい必死の両親たちに車で送り迎えされている。

そこでZūmの出番だ。創業3年半の同社は、5歳以上の子どもたちに対して、信頼できる送迎と保育を約束する。Zūmが子どもたちのためのUberの先駆けというわけではない。実際、競合相手のShuddleは1200万ドル以上の資金を使った挙げ句に2016年には閉鎖した。だがNarayanの会社は、どうやら上手く運営できているようだ。今年の初めに、ZūmはシリーズB調達で1900万ドルを調達したが、その中には数字を厳しく見ることで有名なSequoia Capitalも、初期からの投資家として参加している。

現在の同社の調達額は2680万ドルに達している。

Daniela Perdomo:goTennaの共同創業者兼CEO

ハリケーンサンディーが2012年秋にニューヨーク市周辺の電力を遮断したとき、 Daniela Perdomoと彼女の兄弟Jorgeは、Wi-Fiや携帯電話の電波がなくても、人びとが通話したりテキストメッセージを送り合うことのできるネットワークの必要性を痛感した。現在ではその会社はgoTennaという名で運営されている。初期の製品はラジオの周波数を用い、さらにBluetoothを経由してスマートフォン間でメッセージを送ることを可能にしていたが、最近のバージョンではそれに加えてデバイス間の一種のメッシュネットワークの構成を可能にしている。

これまで同社は10万台以上のデバイスを販売している。VCからの調達額は約1700万ドルに達している。この5月にはSamurai Walletと提携してAndroidアプリを提供する。このアプリを使えば、この夏以降インターネット接続なしでビットコインの支払いを行うことができる。この動きは、特に災害地域において、一部の顧客には重要なものとなるかもしれない。

Chloe Alpert:Medinas HealthのCEO兼共同創業者

Medinas Healthの創業者であるChloe Alpertによれば、数百億ドル分に達する余剰医療用品が毎年廃棄されているという。同社はカリフォリニア州バークレーを拠点とするスタートアップだが、在庫データとマッチングソフトウェアを用いて、大規模な病院が余剰機器を小さな診療所や療養施設に売ることを支援する。

Alpertは、Medinasが迅速で信頼性のあるシステムを構築し、医療機器の分解、搬出搬入、再組み立てを行うことのできるサードパーティと協業することによって、売り手と買い手の双方のコストの節約を実現することができると考えている。

投資家たちは、彼女の余剰マーケットにはチャンスがあると信じている。設立10ヶ月の彼女の会社は、Sound Ventures、Rough Draft Ventures、Precursor Ventures、そしてTrammell Venturesなどから、今年初めに100万ドルの資金調達を行った。

Phaedra Ellis-Lamkins:Promiseの共同創業者

Phaedra Ellis-Lamkinsは、シングルマザーによって育てられた。組合の仕事のおかげで福祉の手を離れることができるようになるまでは、母親は2人の娘たちに時折フードスタンプで食事を与えていた。しかし、その成長過程での経験はずっと残る影響を与えた。実際に大学を卒業した後、Ellis-Lamkinsは、低賃金家庭のケアを支援する組合で働いた。26歳になるまでは、彼女はサンノゼに拠点が置かれたSouth Bay労働協議会の責任者だった。

Ellis-Lamkinsの仕事は、恵まれない家庭がただ繁栄するようにするというものに留まらない。彼女の最新のプロジェクトは、政府と連携しながら、彼女の会社Promiseで働くという条件の下に、監獄から囚人を釈放するというものだ。大きな構想としては:Promiseは刑事司法制度で逮捕された人びとに支援を提供し、保釈金を支払うことができないために勾留され続けるのではなく、訴訟が解決されるまで仕事や家族に戻ることができるようにするというものだ。保釈金が払えないというシナリオがあまりにも多いということに、VCたちも同意する。その目的に向けて、今年の初めには、First Round Capital、Jay-Z’s Roc Nation、8VCそしてKapor Capitalを含む何社かが、Promiseに300万ドルを提供した。

Jesse Genet:Lumiの創業者兼CEO

2014年にJesse Genetは、”Shark Tank”の投資家パネルメンバーたちに、彼女の会社の株式の5%に対して25万ドルの小切手を切らせようとした(”Shark Tank”はアメリカのTV番組で、居並ぶ投資家”Shark”たちを前にビジネスプレゼンテーションを行い、投資を引き出すことが目的)。そのときにはオンラインで写真印刷キットを売っていた。そのときのGenetは、資金を調達することができなかったが、彼女は諦めず、彼女の会社Lumiを、多くの消費者を直接相手にするトップeコマース企業向けの、美しいパッケージのデザインと供給を行う会社へと方向転換した。また今年はじめには、Spark Capitalが主導し、Forerunner Venturesや初期投資を行ったHomebrewが参加した資金調達で、900万ドルを手に入れた。

これはひと仕事ではあったが、Geneはそうなることを予見していたようだ。2015年にはBusiness Insiderに対して以下のように語っている。「ひとつ大切なことは、自分のビジネスを急がないことです…たとえ大金は稼いでいないとしても、会社を日々運営し、フィードバックと経験を得ることは、なにものにも替えがたいものなのです」。

Sarah Guo: Greylock Partnersのゼネラルパートナー

Sarah Guoは必ずしもベンチャーキャピタリストになるつもりはなかった。そして明らかに彼女は、自身が国内で最も古いベンチャーファームの1つのシニア投資家になるとも想像していなかった。しかし、Guoはこの両者を兼ねることになった。先月昇進した結果、創業53年を誇るGreylock Partnersゼネラルパートナーになったのだ。プリンシパルとして同ファームに加わってから5年が経っていた。

Guoにとってこの任命は、これまでスタートアップの世界で過ごしてきた人生を総括するものである。Greylockに加わる前は、彼女はGoldman Sachsのアナリストとして働いていた。そこでは、銀行の関わるB2B企業の多くをカバーし、Twitter、Netflix、Zynga、Nvidiaといった一般顧客に対するアドバイスも行っていた。

ペンシルバニア大学の卒業生(学士号とMBAの両方)であるGuoは、ケーブルテレビやモバイルサービスプロバイダー向けのソフトウェア中心のネットワーキングプラットフォームを開発している創業15年のテック企業Casa Systems社でも以前働いていた(その会社は彼女の両親によって創業されたものだ)。

Charlotte Fudge,:CentralReachの創業者兼CEO

CentralReachは、研究と実践の両方に焦点を当てながら、発達障害セクター向けの訓練管理ソフトウェアを開発している。世間で話題になるような種類の会社ではないが、フロリダ州ポンパノビーチを拠点とするこの創業5年の会社は、強力なファームであるInsight Venture Partnersの注意を引きつけることになんとか成功した。Insightは、今年の初めに同社に対して資金を投入した(金額は未公開)。その一部を使ってCentralReachは既に、行動変化分析ソフトウェアを開発するスタートアップのChartlyticsを買収した

CentralReachを創業しCEOを務める看護師のCharlotte Fudgeにとって、開発はエキサイティングなものでなければならない。彼女は、自閉症や関連する障害を持つ人々に焦点を当てたキャリアを過ごしてきた。投資家による十分な資金の支援を得ることで、彼女の会社はより多くの人びとに届くことになるだろう。

Emily Weiss:Glossierの創業者兼CEO

Emily Weissは、「ミレニアル世代のエスティローダー」と呼ばれている。 彼女がそこにたどり着くのに、それほど時間はかからなかった。実際3年と少し前の時点ではまだ、Weissはとても人気のあったブログInto the Glossを監修していたが、Forerunner VenturesのKirsten Greenとの出会いが、Weissを新しい方向へと振り向かせた。これまでのブランドが売られていた価格に比べて遥かに安い美容製品を販売し、あらゆる面で値下げを行ったのだ。

顧客たちは同社に対して熱狂し、そのInstagramは120万人のフォロワーを数える。投資家たちもこの会社の虜だ。2月にGlossierはシリーズCの資金調達で5200万ドルを調達したが、申込みが殺到して話題になった。同社は現在、総額で8600万ドルを調達している。

Anne Boden:Starling Bankの創業者兼CEO

パワフルな女性は銀行にもいるし、テクノロジー業界にもいる。Anne Bodenは、両方の世界にまたがる、数は少ないが増えつつあるパワフルな女性の1人だ。そして彼女の影響力は毎月拡大しているように見える。彼女はAllied Irish Banksの前COOであり、それ以前はRBSとABN AMROで最高経営責任者を務めた。現在BodenはStarling Bankの創業者兼CEOである。これはスマートフォンに特化した貸付を行うデジタル専門企業であり、英国でのライセンスは2016年に取得していて、ヨーロッパの大部分へと拡大する野望を持っている。

確かに、ライバルの銀行であるRevolutが米国に注目する中で、既にヘッジファンドマネージャーのHarald McPikeから4800万ポンドを調達したと言われているStarlingは、さらに8000万ポンドの新しい資本を得るために、おそらく英国外も視野にいれながら投資家を探している。同社はまた国際的な支払い能力を提供するために昨年パートナーとなっていた、フィンテックユニコーンのTransferWiseとの提携を、静かに解消している。先月TechCrunchにBodenが語ったように、Starlingは「自分でやることによって、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できる」ことがわかったのだという。

Shruti Merchant:HubHausの共同創業者兼CEO

Shruti Merchantが、40マイル離れたサンフランシスコに引っ越すために、カリフォルニア州コンコードにあるメディカルスクールのプログラムからドロップアウトしたとき、彼女はまだ誰とも知り合いではなかった。彼女とその他の6人はCraigslist上でお互いを知り、共同で大きな家を借りて…そして彼らは素晴らしい友人になった。Merchantは既に起業を考えていたが、この体験は彼女にこうした共同生活を管理させるという大きなアイデアを考えさせることになった。そこで彼女はそれを実現するためにHubHausを共同創業した。

これまでのところは、まずまずのようだ。HubHausは大型住宅を借り入れ、ベッドルームをサブリースする。その過程で住居コミュニティを作り出す。いまやロスアンジェルスとサンフランシスコで、数十のプロパティを管理している。またSocial Capitalが今年の初めに主導したシリーズAで、1000万ドルを調達した。

Kathy Hannun:Dandelionの共同創業者兼CEO

大学を卒業して、ほぼそのまますぐにKathy HannunはAlphabetのXグループの評価チームに加わった。このチームは会社による、次の「ムーンショット」(きわめて困難な目標)を考え出すことが使命だ。最終的に、彼女と何人かの同僚たちは、単独で追求しないのはあまりにも勿体無いチャンスに出会った。その結果生まれたのがDandelion Energyだ。同社によれば「地熱暖房と空調をとても効率的にして、それだけでもとがとれる」ものということだ。

投資家たちはDandelionへの投資をためらっていない。New Enterprise AssociatesやBoxGroupなどが、この創業1年のブルックリンの会社に今年初めに450万ドルを提供した。これにより総調達額は650万ドルに達した。新ラウンドが終わった翌日、Hannunは赤ん坊を出産した

Ran Ma:Sirenの共同創業者兼CEO

Ran Maはノースウェスタン大学の生物医学エンジニアとして何年かを過ごし、その前は、ジョン・ホプキンス病院の研究助手として腎臓病関連の仕事をしていた。そうした役割の中で、Maは多くのことを学んだが、その中には腎臓病が最大40%の糖尿病患者に影響を与え、その糖尿病がおよそ4億人の人びとを苦しめていることなども含まれていた。その多くの患者が潰瘍や壊疽による痛みを感じることができず、そのことによって足の切断などを招いているのだ。

コペンハーゲンとサンフランシスコに本拠を置く設立3年のSirenを彼女に始めさせたのは、そうした種類の統計だった。同社は着用者を助ける繊維製品を製造している。まずは洗濯機と乾燥機に入れても大丈夫なソックスが提供されているが、これは着用者の足の温度を計測することができて、接続したアプリを通して着用者に何が起きているかを知らせる(例えばヒートスポットは、急速に広がる感染症を示している可能性がある)。もちろん投資家たちは、糖尿病患者たちが衰弱してしまう前に、潜在的な傷を発見する手助けをする、というアプローチを気に入っている。彼らは、今年の初めに同社に対して340万ドルの資金を提供した。そうした投資家たちには、DCM、Khosla Ventures、そしてFounders Fundなどが含まれている。

Nicki Ramsay:CardUpの創業者兼CEO

アメリカンエキスプレスで約8年を過ごし様々な役割を果たしたところで、Nicki Ramsayはまだ満たされていない需要があることに気が付いた。具体的に言えば、AmExの顧客はクレジットカードを使用して、特に賃貸料や税金などを払うことができないということだ。彼女のソリューションがCardUpだ。ユーザーが自分のクレジットカードを用いて定期的な支払いをできるようにする会社である。Citi、Visa、MasterCard、その他のカードから、家賃、車のローン、保険、もし小規模ビジネスオーナーなら従業員の給与に至るまでの支払いに利用することができる。支払いを行うことで報酬も手にすることができる(家賃を払って同時に7万マイルの飛行機のマイルが貰える時に、単に家賃だけを払う人はいないだろう)。

投資家たちは明らかに、ユーザーたちにそのクレジットカードを、ファイナンスツールとして利用させるインセンティブを与えるアイデアを気に入っている。3月には、Sequoia IndiaとシードステージベンチャーファームのSeedPlusが、シンガポールに本拠を置くCardUpに、170万ドルのシード資金を提供した。資金はスタッフの拡充と、小規模から中規模の企業が増えているマーケットそのものに対して用いられる。

Gwyneth Paltrow:Goopの創業者兼CEO

Goopは、10年前に女優のグウィネス・パルトローによって創業された健康関連のニュースレターならびにeコマース企業である。同社は非科学的な医療情報(膣内を蒸気で蒸すと健康に良いとか、ブラジャーをすると発がんの危険性が高まるとか)でしばしば非難を受けてきた。おそらく最も有名なのは、性的エネルギーを育むために、フォロワーたちに対して膣内に入れるための卵型のヒスイを売り込んだことである。

大多数の人たちにとっては笑いの種だが、最後に笑うのはパルトローかもしれない。3月に彼女の従業員150人の会社は、シリーズCの資金調達で5000万ドルを調達した。新旧の投資家たちが出資し、その中にはNew Enterprise Associates、Lightspeed Venture Partners、そしてFidelityなどが含まれている。Groopはこの資金を国際的な拡大に使う予定だが、体験型販売、「イメージイベント」、そして従来どおりのマーケティングなどが予定されている。

Naomi HirabayashiとMarah Lidey:Shineの共同創業者たち

Naomi HirabayashiとMarah Lideyが、ニューヨークの非営利団体で一緒に働いていたときに、彼らはお互いや親しい友人たちとの間に個人的な支援システムを構築していた。彼らは似たようなことを、他の人たちにも広げたいと考えている。すでに多くのセルフケアアプリが存在していたが、有色人種の女性としての彼らの経験に対応してくれるようなものはなかった。Hirabayashiは今年の初めにTechCrunchに以下のように語っている「私たちは市場に欠けているものに気が付いています、なぜなら心身健康企業(well-being companies)の目は私たちに届かなかいからです、彼らは私たちに語りかけません。彼らは私たちのような人たちを見ることはないのです。彼らがコンテンツを共有するやりかたは、私たちが人生の中の異なる心身健康課題について語るやりかたにはそぐわない気がしました」。

彼らが生み出した製品はShineとなった。これはユーザーたちに、一日を過ごすための、自信、日々の幸せ、そしてメンタルヘルスならびにプロダクティビティに関係した、実践的なヒントを、テキストに添えて毎日送るスタートアップだ。投資家たちもShineに対して、気分の良さを感じているようだ。シード資金を調達してから2年が経ち、同社はこの4月に初期の投資家であるComcast Venturesが主導するシリーズAの資金調達で500万ドルを調達した。他にも多くの団体が投資に参加したが、その中にはニューヨークタイムズも含まれている。

Ankiti Bose:Zilingoの共同創業者兼CEO

Ankiti Boseはアジアのスタートアップシーンでは見ることが少ない女性創業者だが、そんな事実は彼女の会社のスピードを緩めさせたりしない。それどころか、東南アジアのバザーへの訪問体験を、オンラインで再現するeコマーススタートアップであるZilingoは、この4月に5400万ドルの資金を調達し、総調達額は8200万ドルになった。

投資家たちはなぜそんなに熱心なのだろうか?Boseのバックグラウンドは確実に役立っているだろう。彼女はムンバイのMcKinseyのアナリストとして働いたあと、バンガロールのSequoia Capitalの投資アナリストとして働いていた。しかし、彼女が追いかけている市場もまた有望なのだ。独立した商人たちに対して、オンラインストアの店頭を提供することで、Zilingoは2025年までに880億ドル規模になると期待されている市場の中で、Amazonのような企業たちと互角に競い合っている。

Aditi Avasthi:Embibeの創業者兼CEO

5年前Aditi Avasthiは、彼女がシカゴ大学で経済学について学んだことと、その後Barclaysで2年間学んだことを、母国であるインドの学生たちを助けるために活かすことを決心した。その結果生まれたのがEmbibeである。インドのバンガロールを拠点とするこのオンラインコーチングスタートアップは、単なるアクセスを行わせるだけではなく、成績が伸びない場合には、学生がオンラインで行うこと全てに対して討論的アプローチをとり、彼らが最も助けを必要とする時と場所で彼らに手を差し伸べようとする。基本的なアイデアは、同時にはより少数の教師を使いながら、より正確なフィードバックを提供することだ。

Avasthiはそれについて良く知っていたに違いない。今年の初め、インドの複合企業Relianceは、同社に対して事業(その一部はEmbibeの初期の投資家たちからのものだ)の73%と引き換えに、1億8000万ドルを支払った。初期投資者たちであるKalaari CapitalやLightboxにとって、これは大いなる成功だった。彼らがこれまでEmbibeに提供していたのはわずか400万ドルだったのだ。もちろん、創始者としてのAvasthiにとっても悪い結果ではない。

Katie Haun:Andreessen Horowitzのゼネラルパートナー

今週初め、創立9年のAndreessen Horowitz(a16z)は、初めての女性ゼネラルパートナーとして、Katie Haunの名前を発表した。その名は過去数年間ベイエリアでは静かに知られるようになってきていた。Andreessenの新しい3億ドルの暗号通貨ファンドを、ゼネラルパートナーのChris Dixonと共に率いるHaunは大人物である。このためa16zが彼女をしっかりと捕まえたことには驚きはない。

他の多くの業績の中でも特に目立つのは、Haunは米国司法省の連邦検察官として10年以上を過ごし、SECやFBI、そして財務省と一緒に、詐欺、サイバー犯罪、法人向けコンプライアンスに焦点を当てた活動をしていたことだ。Haunのバイオグラフィによれば、彼女はまた司法省の初のデジタル資産コーディネーターであり、Mt. Goxハッキングの調査や、オンラインドラッグ市場のSilk Roadの調査と閉鎖に携わったタスクフォースの指揮も執った。Haunはスタンフォードビジネススクールの講師でもあり、a16zが早期に投資を行ったデジタル交換所であるCoinbaseのボードメンバーである。

Sara MauskopfとAnne Halsall:Winnieの共同創業者たち

Sara MauskopfとAnne Halsallはプロダクトの作り方を知っている。Mauskopfは過去10年間、Twitter、Postmates、YouTube、そしてGoogleのプロダクトに関わり、HalsallはPostmates、Quora、そしてGoogleでほとんど同じことをしていた。2人が一緒にWinnieを作ることになったのに不思議はない。このモバイルアプリは親たちに、近隣の子供向けの場所に関する情報を提供する。家族向けのどのような施設がその場所にはあるのかといった情報だ。そして最近は親たちが質問したり議論に参できるオンラインコミュニティも提供されている。投資家たちは注目し、同社に対して2年前に225万ドルを投資している。

投資家たちは興味を失うどころか、いまでは100万人以上のユーザーを抱えているという2歳半のアプリは、Reach Capitalの主導により、今週新たに400万ドルのシード資金を調達した。Winnieの調達額は現在650万ドルに達している。

Falon Fatemi:Nodeの創業者

Falon Fatemiは、かつて19歳でGoogleの最少年従業員になったことを誇りにしていた。しかし、検索の巨人で4年間、YouTubeでさらに2年を過ごした後、FatemiはNodeを設立して、自分の足跡を残すことにした。現在創業4年目の彼女のスタートアップをずっと成長させていくつもりだ。

この4月には、同社は新たに500万ドルの資金をRecruit Strategic PartnersとJeffrey Katzenberg’s WndrCoから得たばかりだ。同社はAI駆動の検索ツールを開発しており、ユーザーが自身のプロフェッショナルネットワーク上で、その時点で最も仕事を頼むのに適切な人物が誰かを、理由と共に教えてくれる。このラウンドにより、Nodeの総調達資金は2100万ドルになった。

Renee Wang:Castboxの創業者兼CEO

Renee Wangは中国で生まれ、北京郊外の農村の田園地帯の寄宿学校に通っていたと伝えられている。そこで彼女は、自分でもコードの勉強をする傍ら、友人たちに対しても個別指導を行っていた。実際、北京大学で2つの専攻を修めて卒業したあと、WangはGoogleに入社し、東京オフィスで4年以上働いていた。彼女がポッドキャストのコンテンツに対する沢山の検索が行われる様子に気が付いたのは、検索の巨人の運営の内側から見たことによる。そして彼女はこの領域に、これから作るアプリが支配的な地位を占める余地があると考えたのだ。

そして作られたのがCastboxだ。このアプリは自然言語処理と機械学習技法を用いて、そのユニークな機能を実現している、例えばパーソナライズされたレコメンデーションや、オーディオ内検索機能などだ。このアプリは、ユーザーの事前の聴取行動に基づいて、次に聞くべきものを提案することもでき、そのオーディオ内検索機能は、実際にポッドキャスト内のオーディオコンテンツを文字にして、索引付けし、検索可能にする。これほど多くのことが行われる中で、投資家たちが耳を傾けていることも不思議ではない。4月には、彼らはシリーズBの資金調達ラウンドで1350万ドルを、Castboxに提供した。合計で、それは2950万ドルを調達している。

Laura Deming:Longevity Fundのパートナー

写真:Maarten de Boer/Getty Images

24歳のLaura Demingは、彼女のベンチャーキャピタルの多くの同僚たちよりも若い。だが彼女はそうしたことは気にせず真剣に取り組んでいる、それは別に不思議な事ではない。ニュージーランド出身者の彼女は、家庭で教育を受け、成長の過程で老化の生物学に情熱を感じるようになった。実際、以前彼女はまだ10代の若者だったときに、老化の遺伝学を研究する有名な分子生物学者のCynthia Kenyonの研究室で働いていた。14歳までに、DemingはMITの学生となり、16歳までには大学を退学し、ピーター・ティールのThiel Fellowshipプログラム(2年間)に参加していた。このプログラムは「新しいものを作りたい」若者に10万ドルを提供するというものである。

もの作りを彼女はやりとげた。昨年Demingは、2番目のベンチャーキャピタルファンドを、2200万ドルで設立した。また今年の初めにはDemingは、著名な投資家であるMarc Andreessen、アーリーステージベンチャーファームのFelicis Ventures、その他無名の投資家たちの後援を受けて、アクセラレータープログラムも設立した。ここでのアイデアは、スタートアップの支援、特に立ち上がりの遅いスタートアップに焦点を当てて、4ヶ月以内に「価値が感染し始める段階」に到達させる支援を行うというものだ。それがプログラムの適用期間である。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Daniel Grizelj / Getty Images

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TechCrunch Japan

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