「24時間信頼できるAIをあなたに」をビジョンに、AIの品質保守の自動化ツールを提供するCitadel AIは10月4日、シードラウンドにおいて合計1億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)、ANRIがそれぞれ運営するファンド。現在創業期ソフトウェアエンジニアの募集を進めており、調達した資金をベースにエンジニアリングチームを拡充し、2022年の商用化サービスに向け開発を加速化する。
2020年12月設立のCitadel AIは、米Google Brainの元AIインフラ構築責任者が開発をリードするスタートアップ。東京を拠点としつつ、インターナショナルなチームを構築しており、グローバルな市場を狙っているという。
同社提供の「Citadel Radar」(β版)は、顧客のAIの品質を自動モニタリングし、AIの入出力の異常を自動検知・ブロックの上、人間が理解できる形で可視化する機能を搭載したシステム。現在大手製造メーカー、システムインテグレータやAIベンチャー企業など10社以上で試験利用を開始しているそうだ。
従来のソフトウェアの場合、そのロジックが外部環境の影響を受けて変化することはなく、システムの性能や品質を監視するさまざまなツールも提供されている。一方AIの場合、外部環境の影響を受けやすい特性があるにも関わらず、AI固有のリスクから顧客を守る仕組みが確立されていない。
Citadel AIは「24時間信頼できるAIをあなたに」をビジョンに、開発時から運用時まで、自動化を通じてこの課題をエンドツーエンドで効率的に解決するソリューションを提供することで、企業や社会をこうしたリスクから守るとしている。
Citadel AIは、AIが誤認識・誤判断し、ビジネス上の損失やコンプライアンス問題として顕在化する前に、異常を自動検知しAIの品質を保つことは、今後のビジネスにとって非常に重要と指摘。AIの社会実装が進む中、同社システムは、これからの社会・企業経営にとって必須としている。