芸術は人類全員の所有物であり、誰もが啓発される機会をもつ。だから私たちは、ここに3DPhotoWorks、「世界の一級芸術作品」を目の見えない人に届けるプロジェクトを紹介する。John Olson率いるチームは、有名な絵画をデジタル彫刻に変換し、全盲の人が触れて体験できるようにしたいと思っている。
Olsonは21歳で雑誌Lifeの写真家になり、1968年には世界的に知られるテト攻勢の写真を撮影った。学習や生活における視覚の重要性を理解した彼は、「目が見えないとはどういうことかを知りたいと考えた」。
「私は数々の盲人コミュニティーを訪れ、視覚物に対する驚くべき渇望を知りました。故ポール・バキリタ博士の神経可塑性の研究を参考にして、私は絵画をデジタル彫刻画像に変換し、触覚フィードバックを与える方法を開発しました。目の見えない人たちが繰り返し私に、『見える』と言っていたしくみです」と彼は言った。
出来上がった彫像は驚くほど精細な美術館品質で、長年にわたり触れて楽しむことができる。Olsonは、こうした絵画を世界に広めるために、50万ドルという大きな目標で資金を募っている。
これは決して安いものではなく、実質的にOlsonは、作品のスポンサーを探している。まだ3Dプリンティング技術を利用できないため、各作品は特殊な方法で削り出して作らなくてはならない。5000ドル、7500ドル、または1万ドルを寄付すれば、会社はあなたのお気に入りの絵を好きな美術館に送ってくれる。3000ドル出せば、自分の持っている写真から触覚アートを作ることもできる。美術館の絵画全部に触ることは恐らくできないだろうが、3Dのモナリザや3Dのデラウェア川を渡るワシントンは、見えない人にも見える人にとっても、格好の題材だ。
「盲人にとって、自分自身で芸術作品を見られることは、独立、平等、自由の証しです」とOlsonは言う。「3D触覚画像によって、彼らは自身の意見を確立し、自身で決定を下し、自身の結論を導くことができます。もう、作者の言葉に頼ったり、ガイドの見解を受け入れたり、教育者の公式を当たり前だと思ったりする必要はなくなります」。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)